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時間が経てばたつほど複雑化する相続登記
昭和20年に亡くなった祖父の土地をそのままにされていたAさん。現在その土地を使っていないので売りたいと思っているのですが、相続登記が必要と言われました。相続人の中には疎遠な者や、面識のない者もいるので困っています。どうすればいいのでしょうか。
面倒な事になる前に早めの解決を
まずは、誰が相続人になるのかという捜索から始める必要があります。ではどのように調べるのか。まずは戸籍の収集からです。相続人が増えれば増えるほど、戸籍の収集にかかる時間は多くなります。今回のケースでは相続人が全部で15名。戸籍を全部収集するのにかかった期間は約2ヶ月。
どうしてそれほど時間がかかるのでしょうか?まず、被相続人の戸籍については生まれてから死ぬまでの戸籍が必要となります。そして、取寄せた被相続人の戸籍をもとに、被相続人のお子様やご兄弟の戸籍を取寄せていきます。さらに、被相続人のお子様やご兄弟がお亡くなりになっていた場合、その方の生まれてから死ぬまでの戸籍を取寄せ、その後またさらにその方のお子様やご兄弟の戸籍が・・・という風にどんどん辿っていかなければなりません。また、本籍地が遠方の場合、全ての郵送でやりとりします。その為とても時間がかかります。
なんとか戸籍が集まりました。次に必要なことは遺産分割協議です。もちろん、法定相続分通りにそれぞれの持分で全員の共有名義で相続登記を入れることも可能ですが、売買することを考えると、遺産分割協議をして名義を一人にし、売買代金を全員で持ち分に応じて分けるという方法をとる方がその後の手続きがスムーズです。とはいっても、遺産分割協議書に相続人全員から押印を頂く必要があります。ここからがまた大変です。今まで疎遠だった方にいきなり遺産分割協議の話しをした日には、「いきなり連絡してきて何かと思えば、失礼だ!」と言って話がまとまらなくなる可能性もあります。この相続人間の調整が一番大変です。また、どうしても相続人だけでお話をされると不要の揉め事になってしまうケースが多いです。逆に、専門家が間に入り、分かりやすくご説明することでお互いにとって良い話だということをご理解いただけ、スムーズにいくケースが大半です。今回のケースも専門家を入れたことで他の相続人の方にもスムーズにご納得頂き押印頂くことができました。
一度揉めてしまうと、また話が止まってしまい、その間にまた相続人が増えるということも考えられます。時間が経てばたつほど、どんどん複雑化します。相続登記には、相続税の申告と違い期限はありません。なので、面倒だからと後回しにしてしまう人もいらっしゃいます。しかし、逆にどんどんと、面倒なことになる可能性が高いのです。早めの相談が、早めの解決の第一歩です。お困りごとがあった際には、ささいなことであっても、早めに専門家に相談するようにしてください。
悲劇を起こさない為に、専門科に相談しよう
まず、勘違いされている方が多いのですが、「相続放棄」と、「遺産放棄」、もしくは単なる「放棄」は、まったく別のものです。
「相続放棄」というのは立派な法律用語で、家庭裁判所に申述をすることによって強制的な法律的効力が生じます。
「相続放棄」をした相続人は、「はじめから相続人でなかった」ことになってしまいます。相続人としての地位を失うということです。
これに対し、「遺産放棄」というのは、個々の財産に対して、これについては権利を放棄する、というもので、相続人としての地位まで失うものではありません。
一般的には「遺産分割協議書」というものを作成し、その中で財産についての放棄の意思を明らかにします。しかし、この「遺産分割協議書」のなかに記載のない財産がある場合には、この新たな財産については依然、相続人としての権利を持ちうるのです。
Kさんのケースの場合、全体の財産調査をきちんとせず、「手続きが簡便になる」という便宜上の都合だけで安易に相続放棄手続きをしてしまいました。
結果、弟さんのマイホームの父親の持分については、いったんKさんが取得し、そのうえで弟さんに
「贈与」するという形を取らざるを得ませんでした。
そうです。
弟さんは相続放棄によってもはや相続人ではなくなっているため、税務上相続と同様に扱われることの多い「遺産分割」はできないのです。
贈与となると、当然贈与税がかかってきてしまいます。
兄弟間では、贈与税を免れる・または減らすことのできるような減税制度もありません。対象が不動産であるだけに、贈与税もかなりの額に上ってしまいます。
事例のお知り合いのFさんというのは、すこしだけ法律をかじったことがある方だったそうです。
しかし、法律というのは、ちょっとした知識から安易なことをしてしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。
このような事態は、専門家に相談していれば必ず防ぐことができたものです。
では、いったいどうすればよいのでしょうか?
その答えは、おひとりおひとりのご事情によってまったく異なるものになります。
無料相談にて、すこしでもこのような悲劇がなくなってくれるよう願っています。