遺産相続は司法書士に相談できる?対応範囲や費用・他士業との違いを解説

親が亡くなったあと、戸籍の収集や預貯金の解約、不動産の名義変更など、慣れない手続きを前に戸惑う方は少なくありません。

「司法書士にどこまで任せられるのか」「弁護士や税理士へ相談すべきなのか」と迷うこともあるでしょう。

司法書士には、土地や建物の相続登記をはじめ、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、預貯金の解約などを相談できます。

ただし、相続人との交渉や相続税申告には対応できません。

本記事では司法書士の対応範囲や費用相場、他士業との違いを解説します。

自分の状況に合う相談先を判断したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

遺産相続は司法書士に相談できる

遺産相続の手続きを何から始めればよいか分からない場合は、司法書士へ相談できます。

実家や土地を相続した際の名義変更だけでなく、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成、預貯金の解約なども依頼可能です。

慣れない書類を自分ですべて用意する必要がなくなるため、手続きにかかる負担を減らせます。

ただし、司法書士は相続人同士の揉め事に介入することはできません。

相続税の計算や申告も業務範囲外です。

親族間に対立があれば弁護士、相続税申告が必要なら税理士への依頼が求められます。

どの専門家を選ぶべきか判断できない場合は、最初に司法書士へ相談し、対応範囲を確認することから始めましょう。

司法書士が遺産相続で対応できる業務範囲の一覧

司法書士は相続登記を中心に、相続人の調査や必要書類の作成、預貯金などの遺産承継手続きに対応しています。

主に相談・依頼できる業務は、以下のとおりです。

業務 司法書士へ依頼できる内容
土地・建物の相続登記 必要書類の収集
登記申請書の作成
法務局への申請代理
相続人の調査・相続書類の作成 戸籍謄本の収集
相続関係の確認
法定相続情報一覧図の作成・申出
合意内容に基づく遺産分割協議書の作成
預貯金・株式などの遺産承継 遺産承継業務を扱う事務所による口座の解約・払い戻し
株式の名義変更・移管など
相続放棄・遺言書の検認 相続放棄申述書の作成
遺言書検認申立書の作成
添付する戸籍謄本などの収集

土地や建物の相続登記を代理できる

実家や土地を相続した場合は、司法書士に相続登記を依頼できます。

相続登記とは、亡くなった方が所有していた不動産の名義を相続人へ変更する手続きです。

申請には戸籍謄本のほか、相続方法に応じて遺産分割協議書などを用意し、不動産の所在地を管轄する法務局へ提出する必要があります。

司法書士へ依頼すれば、登記内容の確認から必要書類の収集、申請書の作成、法務局への提出まで任せられます。

仕事や家事で書類を集める時間が取れない方も、手続きの負担を減らせるでしょう。

相続登記は、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があるため、自分で進めるのが難しい場合は司法書士への依頼が適しています。

参考:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

相続人の調査や相続書類の作成を支援できる

司法書士には、相続人を確定するための戸籍収集や、相続手続きに必要な書類の作成を依頼できます。

遺産分割や相続登記を進めるには、原則として亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどり、相続人を確認しなければなりません。

具体的には、戸籍謄本などの収集に加え、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作成、法務局への申出を任せられます。

相続人全員が遺産の分け方に合意していれば、その内容に基づく遺産分割協議書の作成も依頼可能です。

誰が相続人になるのか分からない段階でも、自分で戸籍をそろえてから相談する必要はありません。

預貯金や株式などの遺産承継手続きを支援できる

遺産承継業務を取り扱う司法書士には、預貯金や株式などを相続人へ引き継ぐ手続きを依頼できます。

口座の名義人が亡くなった場合は、戸籍謄本や遺産分割協議書などを金融機関へ提出し、解約や払い戻しを進めなければなりません。

株式についても、証券会社への届出や相続人名義の口座への移管が必要です。

依頼を受けた司法書士は、必要書類の収集・提出から預貯金の解約・払い戻し、株式の名義変更や移管まで支援します。

対応する財産や手続きは事務所によって異なるため、相続登記と一緒に任せたい方は、預貯金や株式を含む遺産承継業務の取扱いを契約前に確認してください。

相続放棄や遺言書の検認に必要な書類を作成できる

司法書士には、相続放棄や遺言書の検認で家庭裁判所へ提出する書類の作成を依頼できます。

亡くなった方に借金があり相続放棄を選ぶ場合は、原則として自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に申述しなければなりません。

検認が必要な遺言書を見つけた際も、家庭裁判所への申立てが必要です。

司法書士は、相続放棄申述書や遺言書検認申立書の作成に加え、添付する戸籍謄本などの収集も支援できます。

ただし、司法書士が対応できるのは提出書類の準備と必要な相談までであり、家庭裁判所での手続代理まで任せる場合は弁護士への依頼が必要です。

相続放棄を検討している方や、検認に必要な戸籍をそろえるのが難しい方は、余裕を持って司法書士へ相談してください。

参考:裁判所「相続の放棄の申述」

司法書士へ依頼できない遺産相続の業務

司法書士は相続登記や書類作成に対応できますが、遺産相続に関するすべての問題を解決できるわけではありません。

実家の分け方を巡って親族と意見が合わない場合や、相続税の申告が必要な場合は、司法書士以外の専門家へ依頼する必要があります。

相談先を選び直す手間を減らすためにも、司法書士へ任せられない業務を確認しておきましょう。

相続人との交渉や遺産分割調停・訴訟の代理はできない

実家を誰が相続するか、預貯金をどのように分けるかなどで意見が対立している場合、司法書士に相手との交渉を任せられません。

司法書士は相続人の一人を代理して主張を伝えたり、相手に合意を求めたりする立場にはなれないためです。

相続人全員が遺産の分け方に合意していれば遺産分割協議書を作成できますが、話し合いをまとめるところまでは依頼できません。

調停申立書などの作成はできても、遺産分割調停や訴訟に代理人として出席することも業務範囲外です。

親族だけで話し合いを続けるのが難しい場合は、交渉から調停・訴訟まで代理できる弁護士への相談が適しています。

参考:日本司法書士会連合会 しほサーチ「遺産分割協議で揉めた!家庭裁判所の調停を解説」

相続税の計算や申告書の作成はできない

相続税がかかるか分からない場合でも、司法書士に税額の計算や申告を依頼することはできません。

相続税の申告が必要かどうかの判断や税額の計算、申告書の作成は、税理士の業務にあたるためです。

とくに、実家や土地、預貯金、株式など財産の種類が多いと、相続財産の総額を把握するのが難しくなります。

司法書士へ相続登記を依頼しても、相続税の申告要否の判断や申告手続きまで完了するわけではありません。

相続登記だけで手続きを終えず、相続税の申告が必要かも別途確認が必要です。

遺産相続について司法書士への相談が向いているケース

次のケースに当てはまる場合は、司法書士への相談がおすすめです。

  • 相続に必要な戸籍や書類を自分で集めるのが難しい
  • 不動産の名義変更を含む複数の手続きを任せたい
  • 相続人や財産が多く手続きを整理できない
  • 遠方に住んでいる・平日に手続きを進める時間が取れない
  • 相続放棄や遺言書の検認に必要な書類作成を相談したい
  • どの専門家へ相談すべきか判断できない

以下では、司法書士への相談が向いている理由と、相談前に確認したい点をケース別に解説します。

相続に必要な戸籍や書類を自分で集めるのが難しい

必要な戸籍の種類や請求先が分からず、手続きを始められない方は、司法書士への相談が向いています。

初めての相続では、手元にある戸籍だけで足りるのか、ほかに何を取り寄せるべきなのか判断に迷うこともあるでしょう。

現在の状況を伝えることで、不足している書類や、司法書士へ依頼できる手続きが分かります。

誰が相続人になるのか不明な段階でも、すべての戸籍を自分でそろえてから相談する必要はありません。

何から着手すべきか見通しが立たないときは、手元にある書類を持って司法書士へ相談してください。

不動産の名義変更を含む複数の手続きを任せたい

実家や土地の名義変更に加え、預貯金や株式など複数の手続きを任せたい方にとって、司法書士は有力な相談先です。

相続財産の種類が多いと、どの窓口へ何を提出すればよいのか判断しにくく、「手続きがまだ残っているのでは」と心配になることもあるでしょう。

財産の状況をまとめて伝えれば、司法書士へ任せられる手続きと自分で進めるものを切り分けられます。

すべてを依頼できるとは限らないため、希望する内容をメモし、どこまで依頼できるか相談時に確認してください。

相続人や財産が多く手続きを整理できない

相続人や財産が多く、情報を整理できない方も司法書士への相談が向いています。

兄弟姉妹や甥・姪まで相続人になると、誰が手続きに関わるのか確認しにくくなります。

実家や複数の口座、株式などが残されていれば、財産の把握にも時間がかかるでしょう。

司法書士に相談することで、確認すべき相続人や、司法書士が対応できる手続きを整理してもらえます。

ただし、相続人同士で意見が対立しているケースは、司法書士だけでは対応できません。

話し合いがまとまっているなら、現在分かっている相続人と財産を書き出して相談してください。

遠方に住んでいる・平日に手続きを進める時間が取れない

亡くなった親と離れて暮らしている方や、仕事・家事で平日に動けない方も、司法書士への依頼を検討しやすいです。

相続では戸籍などの収集や相続登記が必要となり、不動産が残されていれば相続登記も進めなければなりません。

役所や法務局とやり取りする時間を確保できず、「期限に間に合うのか」と焦ることもあるでしょう。

司法書士へ依頼すれば、必要書類の収集や法務局への申請を任せられるため、自分で平日に対応する場面を減らせます。

遠方から依頼する場合や窓口へ出向くのが難しい場合は、電話・オンライン相談や郵送手続きに対応しているか確認しておくと安心です。

相続放棄や遺言書に関する書類作成を相談したい

相続放棄や遺言書の検認について、家庭裁判所へ提出する書類を自分で作成するのが不安な方は、司法書士から支援を受けられます。

相続放棄は、原則として自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に申述しなければなりません。

期限があるなかで戸籍を集め、申述書まで作成することに焦りを感じる方もいるでしょう。

司法書士には、相続放棄申述書や遺言書検認申立書の作成に加え、添付する戸籍謄本などの収集も依頼できます。

自分で申述・申立てを進める予定で、提出書類の準備を支援してほしい方に適しています。

どの専門家へ相談すべきか判断できない

遺産に不動産が含まれているものの、どの専門家へ相談すべきか判断できない方は、司法書士を最初の窓口にできます。

初めての相続では、自分の問題が登記・紛争・税務のどれにあたるのか判断し、相談先を選ぶだけでも難しく感じるでしょう。

司法書士へ相続人や財産、親族間の話し合いの状況を伝えることで、司法書士が対応できる範囲と、ほかの専門家への相談が必要な問題を整理できます。

他士業と連携している事務所なら、必要に応じて相談先を案内してもらえることもあります。

すべての相談先を自分で決めてから動こうとせず、現在分かっている状況を初回相談で伝えてください。

遺産相続で司法書士の担当範囲外の際は弁護士・税理士・行政書士の誰に頼むべきか?

遺産相続の相談先は、不動産の有無や親族間の争い、相続税申告の必要性によって異なります。

司法書士は相続登記を中心とした手続き、弁護士は相続人同士の争い、税理士は相続税、行政書士は登記を伴わない書類作成が主な対応分野です。

専門家 主な相談内容 向いているケース
司法書士 相続登記・戸籍収集・家庭裁判所提出書類の作成・遺産承継手続き 不動産の名義変更や関連手続きを依頼したい
弁護士 相続人との交渉・遺産分割調停・審判 遺産の分け方を巡って揉めている
税理士 財産評価・相続税の計算・申告 相続税がかかるか確認したい
行政書士 戸籍収集・遺産分割協議書などの作成 登記や紛争を伴わない書類作成を依頼したい

実家や土地などの不動産が含まれ、相続人同士で争いが起きていない場合は、相続登記まで代理できる司法書士が有力な相談先です。

相続人同士の交渉や遺産分割調停は弁護士へ依頼する

遺産の分け方を巡って相続人同士で揉めている場合は、司法書士ではなく弁護士への依頼が適しています。

司法書士は相続人の代理人として交渉できませんが、弁護士なら相手との交渉を代理し、合意できなければ遺産分割調停や審判へ進む手続きも任せられます。

たとえば、一部の相続人だけが亡くなった方から多額の援助を受けていた場合は、特別受益が問題になることがあります。

介護や家業への貢献を相続分に反映したいケースでは、寄与分に関する法的な主張が必要です。

親族との直接交渉が難しい場合や、特別受益・寄与分を主張したい場合は、交渉から調停・審判まで対応できる弁護士へ相談してください。

参考:東京弁護士会「遺言・相続」

相続税の計算や申告は税理士へ依頼する

相続税がかかる可能性がある場合や申告の要否を判断できない場合は、司法書士ではなく相続税に詳しい税理士へ依頼しましょう。

司法書士へ相続登記を任せても、土地や株式などの財産評価、相続税額の計算、申告書の作成・提出までは依頼できません。

相続税申告が必要になる目安は、正味の遺産額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算した基礎控除額を超えるかどうかです。

基礎控除額を超える場合は、原則として相続税を申告しなければなりません。

申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。

実家の評価額や財産の総額を把握できない方は、通帳や固定資産税の納税通知書など、手元にある資料を準備して早めに税理士へ相談してください。

参考:日本税理士会連合会「税理士とは」

国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」

登記を伴わない書類収集・作成は行政書士へ相談できる

不動産の相続登記や親族間の争いがなく、書類の収集・作成を中心に依頼したい場合は、行政書士へ相談できます。

行政書士には、相続人や相続財産の調査、戸籍謄本の収集、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成などを依頼可能です。

ただし、遺産分割協議書は、相続人全員で合意した内容に基づいて作成する必要があります。

行政書士は相続人同士の交渉を代理できず、不動産の相続登記も行えません。

登記を伴わない書類の収集・作成のみなら行政書士、不動産の名義変更まで任せるなら司法書士へ相談しましょう。

参考:日本行政書士会連合会「遺言・相続」

遺産相続を司法書士に相談するメリット・デメリット

司法書士へ相談すると、相続手続きの負担を減らせる一方で、費用がかかり、任せられない業務もあります。

依頼すべきか判断するため、メリットとデメリットを確認しておきましょう。

遺産相続を司法書士に相談するメリット

司法書士へ相談する主なメリットは、慣れない相続手続きを任せ、書類の不備や手続き漏れに対する不安を減らせることです。

  • 相続登記と関連する書類作成をまとめて依頼できる
  • 必要書類の不足や記載ミスによる手続きのやり直しを防ぎやすい
  • 他士業と連携する事務所なら複数の問題を相談しやすい
  • 手続きの優先順位や完了までの見通しを把握しやすい

親を亡くしたあとは、気持ちの整理がつかないまま、仕事や家事と並行して相続手続きを進めなければならないこともあります。

専門的な部分を司法書士へ任せれば、日常生活を保ちながら、落ち着いて相続に向き合えるでしょう。

遺産相続を司法書士に相談するデメリット

司法書士へ依頼すると負担を減らせますが、費用がかかり、すべての問題を一任できるわけではありません。

  • 自分で手続きする場合より司法書士費用がかかる
  • 依頼する手続きや不動産の数によって費用が増える場合がある
  • 紛争や相続税申告がある場合は別の専門家への依頼も必要になる

弁護士や税理士への依頼も必要になれば、報酬だけでなく、相談や契約の手間も増えます。

想定外の費用を避けるため、契約時に司法書士の対応範囲と費用総額、他士業への依頼が必要になる可能性を確認しておきましょう。

遺産相続を司法書士に依頼する費用相場

遺産相続を司法書士へ依頼する費用は、手続きの内容や相続人・財産の数によって異なります。

主な費用相場は、以下のとおりです。

依頼内容 費用相場
相談料 無料~5,000円程度
相続登記 5万円~10万円程度
相続登記を含む一括サポート 10万円~20万円程度
相続放棄の申述書作成 相続人1人あたり3万円~5万円程度
遺言書の検認申立書作成 3万円~5万円程度
遺産承継業務 25万円程度~

司法書士報酬は一律ではなく、戸籍の収集先や不動産、金融機関の数が増えるほど高くなる傾向があります。

登録免許税や戸籍謄本の発行手数料、郵送費などの実費がかかる場合もあるため、相談時に費用総額を確認しましょう。

相続登記には司法書士報酬とは別に登録免許税がかかる

相続登記を司法書士へ依頼する場合は、司法書士報酬とは別に登録免許税がかかります。

登録免許税は、法務局へ登記を申請する際に納める税金です。

相続による所有権移転登記の税額は、原則として不動産の固定資産税評価額に0.4%を掛けて算出します。

たとえば、固定資産税評価額が3,000万円なら、登録免許税は12万円です。

仮に司法書士報酬が8万円なら、登録免許税とあわせて20万円となり、さらに戸籍謄本の発行手数料や郵送費などの実費も見込んでおかなければなりません。

見積もりを確認する際は、司法書士報酬だけでなく、登録免許税や実費を含めた総額を提示してもらいましょう。

参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」

司法書士費用を誰が払うかは相続人同士で決める

司法書士費用を最終的に誰が負担するかは、相続人同士で話し合って決めます。

司法書士に対しては依頼者が支払うのが基本ですが、不動産を取得する人が負担したり、複数の相続人で分担したりすることも可能です。

戸籍収集や遺産承継など相続人全員に関係する手続きなら、全員の合意を得たうえで相続財産から支払う方法もあります。 

誰が支払うか曖昧なまま依頼すると、手続き後に「自分だけが負担するとは思わなかった」と揉める原因になりかねません。

費用を巡る行き違いを防ぐため、依頼前に見積額を共有し、負担する人や割合を決めておきましょう。

遺産相続に強い司法書士を選ぶポイント

初めて司法書士を探す場合は、事務所ごとの違いが分からず、どこへ相談すべきか迷うこともあるでしょう。

以下では、遺産相続に強い司法書士を選ぶポイントを紹介します。

依頼先選びで失敗しないためにも、費用の安さだけで判断せず、対応実績や他士業との連携体制、相談のしやすさまで比較してください。

相続手続きの対応実績や年間相談件数が豊富か

遺産相続に強い司法書士を選ぶには、まず相続手続きの対応実績を確認しましょう。

司法書士には不動産登記や会社設立、成年後見など複数の取扱分野があり、すべての事務所が相続を中心に扱っているとは限りません。

事務所の公式サイトで、相続に関する年間相談件数や対応事例、取り扱っている手続きの種類を調べてみてください。

実績の総数だけでなく、相続人が多い場合や遠方の不動産がある場合など、自分と似たケースへの対応経験も重要です。

初回相談時では、希望する手続きを扱った経験があるか、完了までにどの程度の期間を見込むのか確認しておきましょう。

料金体系が明確で追加費用まで説明してもらえるか

初回相談では、料金体系と追加費用が発生する条件を具体的に説明してもらえるか確かめましょう。

基本料金が安く見えても、戸籍収集や不動産の追加、金融機関の手続きなどに別料金が設定されている場合があります。

公式サイトの料金表だけで判断せず、司法書士報酬・登録免許税・実費を分けた見積書を出してもらうことが大切です。

相続人の人数や不動産の数に応じた加算額、他士業へ依頼する際の費用についても確認しておくと、必要な費用の見通しを立てやすくなります。

見積書に分からない項目があれば、契約前に説明を求め、納得できる事務所へ依頼しましょう。

税理士や弁護士などとの連携体制が整っているか

相続税や親族間の対立が心配な場合は、税理士や弁護士との連携体制が整った司法書士事務所を選びましょう。

相続財産を確認した結果、相続税申告や相続人との交渉など、司法書士だけでは対応できない問題が判明することもあるためです。

他士業と連携する事務所なら、必要に応じて税理士や弁護士を案内してもらえ、相談先を一から探す負担を減らせます。

ただし、「他士業と連携」と記載されていても、紹介のみの場合と情報を共有しながら対応する場合があります。

相談時には、連携している専門家の種類に加え、相談窓口が一本化されているか、契約や費用が別になるかまで尋ねておきましょう。

説明がわかりやすく専門家との相性が合うか

司法書士との相性は、初回相談の説明や受け答えから見極めましょう。

相続手続きでは、相続人や財産の状況を詳しく伝え、書類の準備や費用について何度かやり取りする可能性があります。

質問しにくい相手や、説明を理解できないまま契約を急かす事務所では、不安を抱えたまま手続きを進めることになりかねません。

専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、話を遮らずに聞いてくれるか、質問への回答が明確かを確かめてください。

「相談しにくい」と感じた場合はその場で契約せず、ほかの司法書士とも比較してから依頼先を決めましょう。

立地や相談方法が自分の希望に合っているか

無理なく手続きを続けるため、事務所の立地や相談方法も確認しておきましょう。

遺産相続では、初回相談だけでなく、契約や本人確認、書類の受け渡しなどで複数回のやり取りが必要になる場合があります。

主な確認項目は以下のとおりです。

  • 最寄り駅からの距離
  • 駐車場や提携駐車場の有無
  • 電話・オンライン相談への対応
  • 土日・夜間相談の可否
  • 出張相談に対応しているか
  • 事務所がバリアフリーになっているか

遠方に住んでいる方や平日に時間を取れない方は、オンライン相談や郵送で手続きを進められるかも重要です。

自分だけでなく、一緒に相談する家族の体調や移動の負担も考え、最後まで無理なく利用できる事務所を選びましょう。

遺産相続を相談できるおすすめ司法書士事務所3選

相続登記や戸籍収集、預貯金などの相続手続きに対応している司法書士事務所を3社紹介します。

自分が任せたい手続きに対応しているかを比較し、相談先を選びましょう。

1.グリーン行政書士法人・司法書士法人

取扱業務 相続登記
遺産整理
戸籍収集・相続人調査
遺産分割協議書の作成
預貯金・株式の相続手続き
相続放棄
費用 相談料:無料
【相続放棄】
申述書作成サポート:7,000円~
しっかりサポート:36,500円~
戸籍収集サポート:23,000円~
【相続・名義変更】
遺産分割協議書作成:21,000円~
相続登記申請:30,000円~
預貯金・株式等の払い戻し・解約及び名義変更:50,000円~
相続登記おまかせパック:76,000円~
相談方法 電話・対面・オンライン・LINE・出張(訪問)
受付時間 平日:9時〜20時 土日祝:9時〜18時
対応地域 全国

グリーン行政書士法人・司法書士法人は、相続手続きをまとめて相談したい方に適した事務所です。

司法書士と行政書士が在籍しており、戸籍収集や遺産分割協議書の作成に加え、不動産の相続登記や遺産承継手続きなどにも対応しています。

手続きごとに相談先を探す負担を減らしやすい点が特徴です。

東京・大阪・名古屋・札幌・福岡に事務所を構え、電話やオンライン、LINEなどを利用した全国からの相談を受け付けています。

平日は20時、土日祝日は18時まで相談できるため、仕事や家事で平日に時間を取りにくい方も利用しやすいでしょう。

グリーン行政書士法人・司法書士法人に無料相談

グリーン行政書士法人・司法書士法人の口コミ

「今回の私の遺産相続の経験は初めての事ばかりで不安で一杯でしたが相手方との話も適切に助言だったり説明だったり私にも相手側にも時間を取りながらゆっくり対応して頂いたので上手く乗り越える事ができました

とても安心して信頼できお任せ出来る方だと私は思います。

これからも宜しくお願いします

今日は遠い所ありがとうございました。」

引用:Google口コミ

2.こん・さいとう司法書士事務所

取扱業務 相続登記
遺産整理
戸籍謄本の取り寄せ
預金株式の相続
遺産分割協議
相続放棄
費用 相談料:初回無料(対面またはZOOM)
着手金:0円
相続登記:62,000円~
預金・株式の相続:40,000円~
遺産分割協議書の作成:20,000円~
相続放棄の手続き:50,000円~
相談方法 メール・電話
受付時間 平日9:00~18:00
対応地域 全国対応

こん・さいとう司法書士事務所は、東京都国分寺市で20年以上にわたり、遺産相続を専門に扱っている事務所です。

約3,000件の相続相談実績があり、相続登記のほか、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、預貯金・株式の名義変更、相続放棄などに対応しています。

事務員ではなく、2名の司法書士が直接対応する点も特徴です。

オンライン相談やオンラインによる本人確認に対応しているため、遠方に住んでいる方も事務所へ出向かずに手続きを進められます。

相続登記だけでなく、預貯金や株式の手続きまで任せたい方は、初回無料相談を利用して依頼内容と見積額を確認してみてください。

こん・さいとう司法書士事務所に無料相談

こん・さいとう司法書士事務所の口コミ

「遺言書作成に関し、他の大手事務所で「イレギュラーなケースで、どうしたらいいか判らない。」と戸惑われた案件も、スッと答えて下さり、こちらに依頼させて頂くことにいたしました。とても頼りになる事務所です」

引用:Google口コミ

3.司法書士法人はやみず総合事務所

取扱業務 相続登記
預金口座の凍結解除
相続放棄など
費用 相談料:無料
相続登記:15万円~
相続まるごと代行サービス:20万円~
預金口座の凍結解除:10万円~
相続放棄あんしん代行サービス:50,000円~
相談方法 電話・メール・出張
受付時間 平日10:00~17:00(土日祝対応可)
対応地域 全国対応

司法書士法人はやみず総合事務所は、相続の相談実績が8,000件以上あり、相続登記や戸籍収集、預貯金・株式の名義変更などを幅広く取り扱っています。

連絡の取れない相続人や疎遠な親族がいる場合、相続登記を長年放置している場合など、ほかの事務所で断られた相続手続きも相談可能です。

「相続まるごと代行サービス」では、相続人・財産の調査から不動産や預貯金、株式の名義変更まで一括して依頼できます。

税理士や弁護士、不動産会社とも連携しており、相続税申告や不動産売却が必要になった場合も新たな相談先を一から探す負担を減らせるでしょう。

司法書士法人はやみず総合事務所に無料相談

司法書士法人はやみず総合事務所の口コミ

「初めての訪問でしたが、日時の設定等迅速に対応してくれ、先生 スタッフの方々が親身に接してくれ相談に乗ってくれます。

また何かあったらお願いしたいと思います。」

引用:Google口コミ

遺産相続と司法書士に関するよくある質問

遺産相続では、手続きを進めるなかで「遠方の不動産にも対応してもらえるのか」「別の遺言書が見つかった場合どうすればよいのか」など、新たな疑問が生じることもあります。

以下では、遺産相続と司法書士に関するよくある質問に回答します。

遺産相続の相談だけでも司法書士を利用できますか?

遺産相続の相談だけでも、司法書士を利用できます。

手続きの進め方を知りたい方や、正式に依頼するか検討している段階でも問題ありません。

司法書士へ相続人や財産の状況を伝えると、必要な手続きや書類、司法書士へ任せられる範囲を整理してもらえます。

戸籍や財産の資料がすべてそろっていなくても、現在分かっている内容から相談可能です。

相談料や対応時間は事務所によって異なるため、予約時に費用と必要な持ち物を確認しましょう。

相談のみを希望している場合は、その旨も伝えておくと安心です。

別の遺言書が見つかった場合も司法書士へ相談できますか?

相続手続きの途中で別の遺言書が見つかった場合でも、司法書士へ相談できます。

遺言書が複数あっても、作成日の古いものがすべて無効になるとは限りません。

前の遺言書と後の遺言書の内容が矛盾する部分については、原則として後に作成された遺言書が優先されます。

新たに見つかった自筆証書遺言が法務局で保管されていない場合は、家庭裁判所での検認が必要です。

封印されている遺言書は、自分で開封しないでください。

すでに遺産分割や名義変更を進めている場合は手続きを一度止め、見つかった遺言書と以前の遺言書を司法書士へ提示しましょう。

遠方の不動産でも近くの司法書士へ依頼できますか?

遠方にある実家や土地の相続登記も、自宅近くの司法書士へ依頼できます。

相続登記の申請先は不動産の所在地を管轄する法務局ですが、司法書士はオンラインや郵送で申請できるため、依頼者が現地へ何度も出向く必要はありません。

複数の都道府県に不動産がある場合も、まとめて対応してもらえる可能性があります。

ただし、司法書士事務所によって対応地域が異なり、書類の取得や郵送などに追加費用がかかる場合があります。

相談時に不動産の所在地を伝え、遠方の相続登記に対応できるか、追加費用がかかるかを確認しておきましょう。

参考:法務局「不動産の所有者が亡くなった(相続の登記をオンライン申請する場合)」

遺産相続の手続きや相談先に迷ったら司法書士へ相談しよう

遺産相続で何から始めるべきか分からない場合は、まず司法書士へ相談しましょう。

司法書士には、不動産の相続登記をはじめ、戸籍収集や相続書類の作成、預貯金・株式などの遺産承継手続きを依頼できます。

相続人や財産、親族間の話し合いの状況を伝えることで、司法書士へ任せられる手続きと、ほかの専門家への相談が必要な問題を整理してもらえます。

司法書士の対応範囲を超える問題が見つかった場合は、連携している弁護士や税理士を案内してもらえるか尋ねてみてください。

初回相談の時点では、すべての書類や情報がそろっていなくても問題ありません。

現在分かっている相続人・財産・遺言書の有無を書き出し、手元にある資料を持って相談することから始めましょう。