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遺言のすすめ

“相続”を争族とさせないために!

相続の際の一番悲しい出来事は、残された親族の間で財産をめぐり、争いが起きること(いわゆる争族)です。亡くなるまでは仲がよかったのに、いざ遺産があることがわかると、態度を変える相続人の方もいらっしゃいます。

しかし事前作成された、1通の遺言書があるとどうでしょう。残された相続人同士での争いを未然に防ぐことができます。

遺言は相続において最も優先されます。
遺言書を作成しておけば、財産をどのように分配するかを予め指示しておくことができ、後々のトラブルを防ぐ有効な手段になるのです。

遺言書さえあれば、多少その内容に不満があったとしても、「故人の意思」と思えば納得もしやすい。
遺言書で、明確な意志表示をし、紛争のタネを残さないことも、残された家族に対する思いやりの一つといえます。

故人にとって、残されたご家族は最も大切な財産です。遺言書を作成することで、大切なご家族を守ることができます。

遺言のすすめ

  • 例えばこんなご相談・・・
  • ・どんなことを書けばいいのか
  • ・他の人はどんな事を書いているのだろうか
  • ・いくつかある遺言のうち、どの種類の遺言が適当か
  • ・何から手をつければいいのか
  • ・遺言をしないと困ることがあるのか
  • ・費用はどのくらいかかるのか

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遺言を書いておいた方がよい代表的なケース

子どもがいないご夫婦の場合

たとえば、夫が亡くなった場合には、妻とともに、夫の父母、または夫の兄弟姉妹が相続人になります。遺言がないと、妻に全部の財産を残すことができません。場合によっては、妻が住む家を失うこともあります。「妻にすべての財産を相続させます。」という遺言を予め書いておけば、妻にすべての財産を残すことができ、安心です。

財産のほとんどが自宅等の不動産の場合

「自宅の家と土地以外には、たいした財産もないし、遺言なんて大げさなものは必要ない・・・」 こんなふうに言われる方が多いのですが、実は、このような場合にこそ、遺言を書いておく必要があるのです! 不動産は、現金や株式などと違って、簡単に分けることができません。相続トラブルのなかでも、最も多いのが不動産をめぐる争いなのです。トラブルを防ぐために、遺言を書いておいてください。

相続人以外の人にも財産を残したい場合

お世話になった友人や老後の面倒をみてくれた方、内縁の配偶者、長年よく尽くしてくれた息子の嫁など、相続人ではない方に、財産を残したい場合には、遺言で財産を遺贈することができます。

再婚をしたが、先妻との間の子どもがいる

このような方が亡くなった場合には、現在の家族とともに、先妻との間の子どもも相続人になります。トラブルになることが多いので、遺言を書いておいたほうが良いでしょう。

長年連れ添った妻がいるが婚姻をしていない

相続人になることができるのは、法律上の配偶者だけです。このままでは、奥様は遺産を相続できることができません。(→ケース事実婚)遺言で妻に財産を遺贈する、と書いておけば安心でしょう。

事業を継ぐ長男に、事業用の財産を相続させたい

長男以外の兄弟姉妹にも相続権がありますので、長男が事業用の財産を相続できるとは限りません。事業用の財産を相続できなかったばかりに、事業を継続することが困難になる場合もあります。遺言で長男に指定しておけば、安心です。

暴力をふるう息子に財産をわたしたくない

暴力をふるうようなドラ息子にもほかの相続人と同じように相続する権利があります。遺言では非行のある相続人の相続権を奪うことができます(→相続権の廃除)

相続人がいないので遺産を社会のために役立てたい

「おひとりさま」といわれる単身者の方々は、高齢者の1割を超えています。財産を受け継ぐ親族が、だれもいない場合は国庫へ帰属してしまいます。希望通りに遺産を残したいと思うのであれば、遺言を書いておきましょう。子どもに残すだけが相続ではありません。実際、寄付や遺贈での社会貢献が、ここ10年ほど非常に増えてきています。

その他(上記以外の場合)

例えば次のような場合にも遺言をしておく必要があります。

  • 身体障害のある子に多くあげたい。
  • 遺言者が特に世話になっている親孝行の子に多く相続させたい。
  • 可愛くてたまらない孫に遺贈したい。

不動産は預貯金と違い、事実上みんなで分けることが困難な場合が多いため、
これを誰に相続させるか決めておくとよいでしょう。

遺言がなかったためのトラブル事例

夫を亡くしたAさん(60歳)には、子供がいませんでした。
夫の親も既に亡くなっています。

夫の残した財産といえば、自宅(2000万円)と現金(1000万円)とAさんが受取人となっていた生命保険(1000万円)。遺言書はありませんでしたが、Aさんは当然自分が全て相続できるものだと思っていました。

ところが、しばらくして夫の兄から「自分も4分の1は相続する権利があるはずだから、急いで1000万円用意してほしい」と申し出がありAさんは困惑。弁護士に相談してみたところ、「遺言書が無いのであれば法定相続分通り4分の1を義兄に支払わないといけない」と言われてしまいました。

ただし、生命保険は受取人であるAさん固有の財産とみなされるため、この場合は3000万円(自宅2,000万円+現金1,000万円)の4分の1にあたる750万円が義兄の相続分となりました。

上記のようなトラブルの防止策

このケースで言えば、夫は「全財産を妻Aに相続させる」という遺言書を書いておくべきでした。
そうすれば、兄弟には遺留分もありませんので全財産をAさんが相続可能となったのです。
このように子供のいない夫婦の場合で、かつ親や兄弟が居るケースでは、遺言書が無ければ配偶者だけではなく親や兄弟にも相続権が発生します。
財産を配偶者に全て渡したいと思うは、遺言書は必ず書いておかなくてはいけません。

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