相続・遺言トータルサポート大阪TOP > 相続ブログ > 内縁の妻は相続人になれるか?
相続ブログ
内縁の妻は相続人になれるか?
~Question~
私は夫と夫婦として30年間暮らしてきましたが、婚姻届は出しておらず、いわゆる内縁関係にあります。夫には私との間も含めて子はいませんが、夫の父は健在です。このような私は夫の相続人になれますか。
~Answer~
内縁関係にあるあなたは、夫の相続人にはなれません。
相続開始によって被相続人の財産を誰がどのくらい相続するのかは、まず、遺言によって決まります。ですが、遺言がない場合には、民法に一定のルールが規定されています。これによると、「配偶者」は常に相続人となります。
ただし、ここでいう「配偶者」とは婚姻届を提出しており、法律上婚姻関係にある者をさします。よって、内縁関係(事実婚)の場合は「配偶者」にはあたりません。したがって、相続人ではないことになります。
議論の余地はありますが、このような考え方で実務は動いています。
そこで、このような関係にある場合は、遺言書を残してもらうことをおすすめします。遺留分を侵害しない範囲で内縁の妻に遺贈するという遺言を残しておいてもらえば、残された内縁の妻は、以後の生活の不安を払拭できます。
質問者様の場合では、内縁の夫の父親がご健在ということですが、もしもその父親が先にお亡くなりになった場合、相続人がいないことになります。このように相続人がいない場合には、相続財産は原則として国庫に帰属します。けれども、国庫に帰属する前に、被相続人との関係において、一定の条件を満たすものについては、「特別縁故者」として、相続財産が分与されるという制度があります。内縁関係の場合には、この特別縁故者に当たる場合があります。これが認められるには、家庭裁判所の審判が必要です。