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遺言の内容を変更したい場合について
~Question~
僕は、ずっとよく面倒を見てくれた長女に株式を相続させる内容の遺言を作成したのですが、遺言をしてから、長女が急につめたくなりました。だから、株式を相続させる内容の遺言を撤回しようと思います。どのようにしたらいいでしょうか。
~Answer~
●撤回の事由
遺言は、遺言者の生前の最終の意思ですから、いったん遺言書を作成しても、気持ちが変わったときには自由に撤回できます。いったん遺言書を作成しても、その後、身分上あるいは財産上の事情が変化した等の理由で気持ちが変わり次第、何度でも遺言を作りなおすことができますから、遺言の撤回はとても便利な制度と言えます。撤回は遺言の全部についても一部についてもできます。したがって、この制度があるので、遺言を作成することをあまりに重大視しないで気軽にできるのです。
また、遺言を撤回する自由は、遺言制度の本質的なものですので、放棄することはできません。遺言書に遺言を撤回する自由を放棄する旨記載しても、無効になります。
●遺言撤回の方法
前の遺言を撤回する内容の遺言をすることで遺言を撤回することができます。前の遺言が公正証書遺言、後の遺言が自筆証書遺言であっても構いません。しかし後日、自筆証書遺言が偽造であるなどと争われる心配があるので、出来れば同じ公証人に撤回の経過を明らかにして新しい遺言を作ってもらうのがいいでしょう。
また、前の遺言と抵触する遺言をすることによっても遺言を撤回することはできます。例えば「○○の株式は長女に相続させる」との遺言がある場合に「○○の株式は妻に相続させる」という遺言をすることで遺言を撤回できます。
遺言をしたあと、それと抵触する生前行為をすることでも遺言を撤回することができます。今回の質問の場合ですと遺言後、株式を処分することがそれにあたります。
遺言者が故意に遺言所を破棄することでも遺言を撤回できます。自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合にはこの方法も効果的ですが、公正証書遺言の場合は公証役場に原本があるので、撤回の効力に疑問があります。
また、遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄することも遺言の撤回にあたります。