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相続回復請求権について

今から7年前に私の父が死亡したのですが、その後、私の兄が父の遺産の不動産について相続を原因として勝手に単独の所有権移転登記をしてしまいました。どうしたらよいでしょうか。

数人の相続人のうち、一部の者が自己の相続分を超えて勝手に不動産を自己の名義にした場合は、その他の相続人は自己の相続分を守るために、相続回復請求をすることができます。

 

相続回復請求権・・・本来、相続回復請求権は相続人以外の者が相続人と称して遺産を簒奪している場合に、権利を侵害されている相続人から侵害者に対して、その権利の回復を求める権利です。

ただ、本問の場合のように、相続人間であっても、ある相続人が自己の相続分を超えて遺産を奪っている場合には、相続分を超える部分については、相続人以外の者が簒奪するのと同じことなので、そのような場合にも権利を侵害されている相続人は、相続回復請求権をすることができると考えています。

具体的には、裁判所に、侵害をしている相続人を相手として、勝手にされた所有権移転登記を本来の相続分に応じた持分登記となるよう更正登記を求める訴訟を起こすことになります。

 

消滅時効・・・この場合に、問題となるのは、相続回復請求権は、相続回復請求権利者が相続権侵害の事実を知ったときから5年間であり、また相続開始から20年過ぎてしまうともはや時効により行使することができないとされることです。

ところが、権利を侵害している相続人が、自分の他に相続人がいること、そして相続財産のうちのある部分が他の相続人の持分に属することを知りながら、合理的な理由がないのに、その部分もまた自己の持分に属すると称しているときは、その相続人は、消滅時効を援用することができないというのが裁判所の考え方です(最高裁昭和53年12月20日判決)。

ここにいう「合理的な理由」とは、戸籍の記載が誤っていたとか、戸籍の載っている以外にも実は相続人がいたというような稀な場合を言いますので、現実には、侵害をしている相続人にはほとんどの場合、合理的な理由はなく時効の主張は許されないということになります。

 

遺産分割手続・・・相続回復請求権手続きで遺産をいったん共有状態に戻した段階で、今度は相続人間で遺産分割手続きをすることになります。

 

第三者に処分された場合・・・仮に、兄が遺産をさらに第三者に処分した場合はどのような方法で取れるでしょうか。この場合にも、第三者に対して相続回復請求権を行使できるという考え方もありますが、第三者は相続人として振舞っているわけではないので、相続回復請求権を行使することはできないというのが判例の立場です。

ただし、兄は、自己の法定相続分を超える部分を第三者に譲渡することはできませんから、その部分については本来の相続人に権利があり、相続人は、その権利に基づいて第三者に登記の抹消や不動産の返還を求めることができるとされています。

この場合に、第三者が相続回復請求権の消滅時効の主張をすることができるかについては考え方が分かれています。結局は、相続人の利益と取引に入った第三者の利益のどちらかを優先して保護するのかということが考え方の分かれ目になるのですが、今後の裁判所の判断を待たなくてはなりません。

仮に、第三者が消滅時効の主張をすることができる場合には、兄に対して損害賠償あるいは不当利得返還請求をすることになるでしょう。

また、自己の相続分が侵害されているのを知りながらこれを放置し、その後に第三者に処分された場合には、もはや第三者に対して移転登記の抹消請求ができないという考え方もあるので注意が必要です。

いずれにせよ、第三者に処分される前に兄を相手にして仮処分を申請し、そのうえで相続回復請求手続きをとることが必要でしょう。

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