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相続(養子)について

~Question1~

私は訳あって、今の両親の養子となりました。先日、実の母が死亡したのですが、幼い頃は実の兄弟として仲が良かった兄に、お前は養子に出たのだから実の母の財産の相続権はないといわれたのですが、本当でしょうか?

 

養親との関係・・・養子縁組をするという意思の合致により、血のつながりとは関係なく法律上親子関係が発生します。そして、縁組みの日から養子は養親の嫡出子となり、養親の血族関係ということになります。したがって、嫡出子である以上、養子は「子」として養親の第1順位の相続人となります。

 

実親との関係・・・このように養子縁組により養親子関係が成立したとしても、実親との関係が切れる訳ではなく、実親との親子関係も存続します。そして親子関係がある以上、養子(実親からみると「実子」)は、「子」として実親の相続人となります。したがって、あなたは実母の相続人でもあるのです。

また、養子がさらに他の者の養子になることもできるのです。この場合もそれまでの養子縁組は解消しないので、養親子関係が二重に併存することになります。この場合も親子関係がある以上、養子は、実親の相続人となるだけでなく、それぞれの養親の相続人ともなります。ただ、養子縁組をする際に、実親からある程度まとまったお金を受け取っていた場合などは、遺産分割に際してその額を控除されることがありますので注意が必要です。

 

特別養子縁組・・・日本の養子制度は、両親そろっていることは不要であり、離縁も自由で、養親子間の合理的年齢差も不要であるなど、子の福祉という観点からは不十分な点がありました。また、養子であることを表にしたくないという感情から、「藁の上からの養子」として、他人の子を自分の子として育てるということが行われていました。これは子の福祉のための養子でしたが、法的には虚偽の届出をする等の問題点がありました。そこで、子の福祉を重視し、かつ養親の感情にも配慮した縁組制度として、昭和62年に「特別養子縁組制度」が制定されました。特別養子縁組は、一定の条件が充たされていると、家庭裁判所の審判によって成立します。そして特別養子縁組が成立すると、養子と実父母およびその血族との親族関係は終了します。したがって、特別養子縁組をした場合は、実親の「子」ではなくなりますので、実親の財産を相続することはできないことになります。

 

~Question2~

私は、前夫との間の子どもを連れて今の夫と再婚しました。私の連れ子は、今の夫の財産を相続することはできるのでしょうか?

 

「子」であること・・・民法は、血族の相続人のうち、第1順位は「子」であると規定しているので、「子」にあたる者は第1順位として父親の財産を相続できます。そして、ここにいう「子」には、嫡出子・非嫡出子のいずれも含みます。

ただ、あなたが前夫との間の子を連れて再婚した場合、たとえ今のご主人があなたの連れ子をわが子のようにかわいがり、本当の親子関係のようにしたとしても、それは事実上の話であり、法律上は、連れ子はあなたの新しいご主人の「子」にはなりません。

したがって、「子」にあたらない以上、連れ子はあなたの新しいご主人の財産の相続人ではないことになります。

ちなみに、今のご主人が亡くなった後、あなたが亡くなった場合、あなたがご主人から相続した財産を連れ子が相続することになります。しかし、それは、あくまでもあなたの「子」としてあなたの財産を相続したのであり、あなたのご主人の財産を相続したわけではありません。

 

養子縁組・・・養子は、血のつながりではなく、意思によって親子関係が発生するもので、養子縁組をした日から養子は養親の嫡出子となります。

そこで、あなたの新しいご主人とあなたの連れ子との間で養子縁組をすることにより、連れ子も縁組みの日からあなたの新しいご主人の嫡出子となります。そうすれば、「子」にあたるので、第1順位の相続人となることが出来ます。

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