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今回は「養子」の扱いについて
相続のなかでは、民法上と税法上で違う扱いになるものが多々あります。
その中で、本日は「養子」の扱いについてお話しさせていただきます。
民法上では、実子と養子に区別はなく同じ扱いとなります。
民法上の相続人とは、おおまかに言えば財産を実際にもらう人のことです。
普通養子、特別養子ともに縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得します。
養子は実子と同様に、制限なく養親の法定相続人となります。
したがって、相続財産は、実子でも養子でも同じようにもらえます。
民法上では、人数に特に制限はありません。
また、普通養子では、実親との親子関係が存続したままなので、実親・養親の双方に対し相続権を持ちます。
税法上の養子には、民法上の養子と違い、制限があります。
その、制限についてみていきましょう。
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[平成23年6月30日現在法令等]
1 相続税の計算をする場合、次の4項目については、法定相続人の数を基に行います。
(1) 相続税の基礎控除額
(2) 生命保険金の非課税限度額
(3) 死亡退職金の非課税限度額
(4) 相続税の総額の計算
2 これらの計算をするときの法定相続人の数に含める被相続人の養子の数は、一定数に制限されています。
この法定相続人の数に含める養子の数の制限について説明します。
(1) 被相続人に実の子供がいる場合一人までです。
(2) 被相続人に実の子供がいない場合二人までです。
ただし、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は、上記(1)又は(2)の養子の数に含めることはできません。
3 なお、次のいずれかに当てはまる人は、実の子供として取り扱われますので、すべて法定相続人の数に含
まれます。
(1) 被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子となっている人
(2) 被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人
(3) 被相続人と配偶者の結婚前に特別養子縁組によりその配偶者の養子となっていた人で、被相続人と配偶
者の結婚後に被相続人の養子となった人
(4) 被相続人の実の子供、養子又は直系卑属が既に死亡しているか、相続権を失ったため、その子供などに
代わって相続人となった直系卑属。なお、直系卑属とは子供や孫のことです。
(相法12、15、16、63、相令3の2、相基通15-2、63-1、63-2)
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(国税庁HPより)
ではなぜ、相続税の相続人には、制限がかかるのでしょうか。
相続税の基礎控除は、5000万円+1000万円×法定相続人の数で計算されます。
ということは、法定相続人の数を増やせば基礎控除の金額を増やすことができます。
人数をべらぼうに増やされるのを防ぐために、このような制限が設けられているのです。
このように、税法上と民法上では養子の扱いが異なります。
相続にはたくさん細かい違いがあります。
お困りの際は、私ども『相続・遺言手続トータルサポート大阪』にご依頼ください。