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遺産分割協議書を作らずにいたばかりに…!?

父親が亡くなったAさんのお話です。

 

Aさんは、3人兄弟の末っ子として生まれました。

 

父親からは生前、「ワシが死んだら○○の土地はお前にやる。だから、維持管理をきちんとしていってほしい」と言われていたそうです。実際に父親が亡くなり、相続が開始されましたが、Aさん以外の兄弟もみな父親の言っていたことを知っていたので、土地をAさんが単独で相続することに何ら異議はなかったそうです。

 

特に何の問題もないと思い、Aさんは遺産分割協議書も作らず、土地を父親名義のままにしておきました。そして、14年という年月が経過しました。
この間さんは、バブル期で地価が高騰したときも、土地を手放すことなく固定資産税を支払い続け、父親の意向通り土地の維持管理に努めてきました。

 

やがてAさんは、そろそろ自分も年を重ねてきたので、名義変更をしておかなければ…と考えられました。そして土地の名義変更の手続きを進めようと決意されたそうです。

 

ところが!!

土地の名義変更をするためには、相続人全員の同意を証明する「遺産分割協議書」(相続人全員の実印での押印・印鑑証明書付き)が必要であるという事をそのときAさんは初めて知りました。

慌てて依頼され、相続手続きに入りましたが、この14年間で長男である兄が亡くなっておられました。そのため長男の相続人である、長男の妻B・子供Cの同意を得なければならなくなりました。(長男が相続した父親の相続分を、そのままBCが受け継ぐため)

Aさん曰く「兄嫁のBさんとは、ずっと連絡をとっていないし、Cさんとも連絡が取れない」との事でしたが、なんとかつてを辿りようやくBCの2人と連絡が取れました。そして、事情を説明したところ、今度は「自分に相続分があるのなら分割してほしい」と主張されてしまいました。

さらに困ったことに、二男であるもう1人の兄からは、「事業をしていて負債があり、やっぱり自分にも分割してほしい」と言われてしまいました。同じようにAさんが長年土地を維持管理し続けてきた旨を説明しましたが、やはり同意は得られませんでした。

結局Aさんは他に財産もないので、ずっと守り続けてきた土地を手放す羽目になってしまいました。「こんなことになるのなら、早く手続きを済ませておくべきだった…バブル期に売却でもすればよかった」と悔やまれましたが、どうにもなりませんでした。父との約束も果たせなかったことが、悔やんでも悔やみきれないAさんでした。

 

【解説】

相続が開始してから時間が経つと、二次相続三次相続が始まる可能性があります。
上記のように、当時は相続人ではなかった者が相続人となり、時間が経てば経つほどその人数は増えていくことになります。
そして人数が増えれば増えるほど同意は得られにくくなります。得られたとしても同意する代わりに何らかの対価を要求される場合も少なくありません。
また、当時は同意していた者であっても、時間が経てば状況の変化により、態度を変えて権利を主張してきたりもします。
手続きを遅らせることにメリットは何もありませんので、早めに手続きを済ませておきましょう!!

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