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遺産分割協議の後に新たな遺産が出てきたら?

~Question~

遺産分割協議が成立した後に、相続人の知らなかった所で新たな遺産が発見されました。この場合、どうすれば良いでしょうか。

 

~Answer~

 

●一部分割の有効性

遺産分割協議をする際には、被相続人の全ての財産を一括して共同相続人に分割すること、つまりは全部分割が原則となります。したがって、協議をはじめる前に遺産内容の調査を行うことが必要です。

しかし、遺産内容の調査を十分に行ったつもりでも、一部の遺産を協議の対象としなかったり、遺産分割協議の成立の後に知らなかった遺産が出てくることは、ある程度やむをえないことです。このような場合、すでに行われた協議を無効として、協議の対象から外してしまっていた遺産や新たに発見された遺産を含めて遺産全体について協議をやり直せというのは、相続人に無駄な労力を強いることになります。したがって、後に述べるような例外的な場合を除いては、すでになされた遺産分割協議は有効であり、この意味で遺産の一部のみの分割、つまり一部分割も認められています。

よって、ご質問の場合も既に成立している遺産分割協議は有効となります。したがって、新たに発見された遺産のみについて改めて相続人間で分割協議をして分割すればよいといえます。この際、手続きとしては相続人の間でもともと未発見の財産があることを予測し、分割割合を明示ないし、黙示に合意しているような場合は共有物分割の手続きをとる事になるかもしれません。しかし、それ以外の場合は一般的には通常通り遺産分割の手続きをとってかまわないでしょう。

なお、すでに成立している遺産分割協議の内容に不満があった場合でも、遺産の一部が脱落していたことや、新たに遺産が発見されたことを幸いとして分割のやり直しを主張することは一般的にはできないでしょう。

 

●例外的場合

ただし、協議の中で脱落していた遺産や新たに発見された遺産が一部の相続人によって故意に隠匿されたものであったり、遺産全体の中で大きな割合を占める財産価値を有している場合は、仮に相続人においてその遺産の存在を知っていたとするならば、すでに成立している遺産分割のような分割にはとうてい同意しなかったと考えられる場合があります。

この場合には、遺産分割をする上で重要な部分に錯誤があったことになりますので、相続人としては、従前の遺産分割協議の無効を主張できるでしょう。この場合には、新たに発見された遺産や脱落していた遺産を含めて、遺産全体について改めて相続人間で公平になるように遺産分割協議をやり直すことになります。

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