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特別縁故者の相続税は?
~Question~
25年間夫婦同然で暮らしてきた内縁の夫が死亡しました。夫は天涯孤独で相続人はなく、家庭裁判所で私が特別縁故者として夫の財産の分与を受けることになりました。この場合相続税の申告はどのようにすればよいですか。
~Answer~
●相続と特別縁故者
民法上、被相続人が財産を有しているが相続人のあることが不明または存在しない場合、被相続人と生計を共にしていた者または被相続人の療養看護に努めた者その他特別の縁故があった者があるときは、これらの特別縁故者は家庭裁判所に対して相続財産の分与を請求できます。
その分与財産については、特別縁故者が相続財産の全部または一部の分与を受けた場合その財産の取得を被相続人から遺贈によって取得したものとみなし、相続税が課税されます。
●課税時期・申告期限等
相続税の課税上、課税時期と課税財産の価額の評価時点は一致するのが原則です。しかし、家庭裁判所の審判により特別縁故者に財産の分与が行われるまでは相当の期間が必要となり、以下に注意を要します。
① 課税時期
被相続人からの遺贈により取得したものとみなされることから、一般通り相続開始日となります。よって、相続税の計算上基礎控除額や税率等は被相続人の相続開始日に適用される法令によることとなります。
② 申告期限
特別の規定が設けられており、財産の分与があったことを知った日の翌日から10か月以内となっています。
③ 相続財産の価額
相続開始時の評価額ではなく、分与時の相続税評価額によります。
特別縁故者は被相続人の1親等の血族および配偶者ではないため、通常の相続税額に2割に相当する額を加算した金額を納付しなければなりません。
さらに、配偶者に対する税額控除の規定、未成年者控除の規定、障害者控除の規定及び数次相続控除の規定も適用がありません。
特別縁故者が被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けていた場合、この受贈財産を相続税の課税価格に加算して相続税を計算し、その贈与税相当額を税額控除をして納付すべき相続税を計算します。