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特別受益とはどのようなものでしょうか
遺留分を侵害しない限り、尊重されます
被相続人から生前に贈与を受けると特別受益となります
被相続人から生前、特別に財産をもらうことを「特別受益」といいます。財産をもらった人のことを「特別受益者」といいます。相続時に遺言で財産を与えられる遺贈も特別受益となります。
そして、相続財産に特別受益を加えると、それが全相続財産(=みなし相続財産)となります。「みなし相続財産」をもとに算定した相続分から、贈与や遺贈の分は前もって渡した分として差し引かれます。これは、相続人間で平等になるようにするためです。
ただし、被相続人が遺言によって、特別受益として差し引かないと定めていた場合は、遺留分の規定に遺産しない範囲内で、それに従うことになります。特別受益分が遺留分を侵害した場合、侵害された人は特別受益者に対して遺留分減殺請求をすることができます。
特別受益とされるものは、以下の3つの場合です。
①婚姻または養子縁組のために受けた贈与
②生計資金として受けた贈与
たとえば、住宅を購入するための資金の援助や特別な学費など、ほかの相続人とは別で特別にもらった資金がこれにあたります。ただし、新築祝いなど交際費の意味合いが強いものや、その場限りの贈り物などはこれに含まれません。
③特定の相続人が受けた遺贈
遺言によって財産を遺贈された場合、その遺贈を受けた受遺者の相続分から遺留分が差し引かれます。遺贈されたものは、相続分の中に含まれるからです。
贈与額や遺贈額が相続分を超える場合はどうでしょうか
特別受益が相続分より多いときは、遺産分割の際に取り分がなくなるだけで、相続分より多い分には特に問題にはなりません。被相続人の自由意思で贈られた特別受益は、遺留分に反しない限り尊重されます。
◆特別受益者の具体的な相続分の算定方法
※(贈与・遺贈の価額+相続開始時の財産)×相続分(民法900~902条)-贈与・遺贈価額=具体的相続分
※=みなし相続財産(全相続財産)
(設例)
被相続人Aの子BCD3人が相続人として存在し、相続財産が1000万円ある場合で、BがAから200万円の贈与を受けていた(特別受益)。
BCD各自の具体的相続分はいくらとなるか。
相続開始時の財産1000万円+Bの受けた贈与の価額(特別受益)200万円=みなし相続財産
Bの具体的相続分:(200万円+1000万円)×1/3-200万円=200万
C・Dの具体的相続分:(200万円+1000万円)×1/3=400万