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不動産の遺産分割その1・・・(遺産分割協議と登記)
~Question~
昨年父が亡くなり、母と長男の私と弟の3人で遺産分割協議がまとまり、母が現在住んでいる唯一の遺産といえる不動産を取得することになりました。不動産はまだ父名義のままなのですが、登記はどのようにすればよいでしょうか。また、すでに相続を原因とする共同相続の登記がされている場合には、どうなりますか。
~Answer~
被相続人の死亡後、遺産の中に土地や建物がある場合に、遺産分割の話合いが相続人間でできていても、登記上の所有名義を故人である被相続人のままにしておくことは世間にはよくあり、違法でもありません。
●登記の必要性
しかし、その状態のままで放置していると、固定資産税は被相続人名義のままで課税されますし、将来的にもし、その不動産を売却したり担保設定などの処分行為をする場合に、その状態のままでは処分はできません。また、あなたのお母さんのように遺産分割によって法定相続分とは異なる権利を取得した相続人が、その旨の登記をしないままにしておきますと、例えば弟さんが自分の法定相続分を第三者に売却したり、または弟さんの債権者がその法定相続分を仮差し押さえするなどした場合には、このような第三者に対して、お母さんは遺産分割により自分がその不動産を取得したことを主張できなくなってしまいます。したがって、分割の話合いがまとまれば、できるだけ早く遺産分割協議の内容に従った登記をするのが適切です。
●登記手続
登記名義が被相続人名義のままの場合には、遺産分割の効果は相続開始時にさかのぼって生じますので、お母さんは、あなたや弟さんからその不動産を取得したことにはならず、直接お父さんから相続により承継したことになります。したがって、お母さんは相続を登記原因としてただちに相続登記ができることになります。
すでに共同相続の登記がなされている場合には、不動産の所有権を取得したお母さんを登記権利者、あなたや弟さんを登記義務者とし、共同申請によって、遺産分割を登記原因として、あなたや弟さんの共有持分をお母さんに所有権移転登記することになります。