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寄与分と相続分の関係について【2】
寄与分と相続分の関係について【1】の続き・・・
●寄与分を請求できる者
相続人のみが寄与分を主張できるのですが、お兄さんの奥さんの寄与分については、お兄さんの親族の寄与ということで、お兄さんの寄与分に含めこれを主張できるとされています。しかし、お兄さんの奥さんが自分自身の寄与分として主張することは出来ません。また、お兄さんの子共の寄与分についてもこれと同様のことが言えます。
この寄与分制度を定める際、寄与分を主張できる者を、相続人に限るのか否かで議論が分かれました。前記のような寄与分の趣旨、類型からすれば、相続人以外にもこのような人が現れる場合があります。しかし、相続人以外の者をいれると、その者が遺産分割協議に参加することになり、その話合いが複雑になって問題がふえるため、法律では相続人に限る事になり、相続人の配偶者や子供等の寄与があったとしても、これらの者は寄与分の主張が出来ない事になりました。ただし、寄与者が相続人の親族である場合は、この寄与は公平の見地からその相続人自身の寄与として認めるべきであるとされています。そうであっても、相続人となるべき者の配偶者の寄与については、その相続人が相続開始時にすでに死亡している場合には、死亡者の配偶者の寄与については、寄与分としての主張ができない事になります。なお、相続人でなくても、その遺産につき前記のような報酬等の請求権があるとか、物権的権利がある者は、その権利を主張できます。