相続・遺言トータルサポート大阪TOP > 相続ブログ > 遺言がある場合にも遺産分割協議って必要?【1】
相続ブログ
遺言がある場合にも遺産分割協議って必要?【1】
~Question~
私の父は、自筆証書の遺言を残して亡くなりました。
① 遺言書には「遺産の半分は長男がとり、残りの半分は三人の姉妹で仲良く分け合ってほしい」とだけ書かれていました。このような場合でも、遺産分割協議をする必要がありますか?
② 遺言の指示とは異なりますが、長男が受け取る分も法定相続分に従って4分の1でよいとする協議も可能でしょうか?
~Answer~
●遺言と法定相続分
遺言とは、被相続人の最後の意思表示です。日本のような私有財産制の国は、自己の財産の処分は、自分の意思で自由に決定することが認められています。すなわち人は生前、自分の財産を誰にどれだけ譲るのかを、遺言をもって正式に決定することができるということです。したがって、遺言がある場合には、遺族は原則としてその遺言に従って相続分を受け取るべきであり、遺言を無視して、相続人がひとりで相続財産を独り占めにしたりなどはすべきではありません。そのような行為は、他の相続人の権利を侵害するだけでなく、被相続人の最終意思を尊重しないことを意味するため、遺言制度という法の制度をおざなりにする結果となるからです。
民法上、法定相続として相続人の範囲とその相続分が定められていますが、遺言があれば遺言が優先されます。法定相続は、遺言がない場合における分割協議の基準もしくは拠り所になるものと捉えるべきです。
法定相続とは異なる割合で「遺言」が書かれていれば、その遺言は無効ではないかと考えられる方もいるようですが、実はその逆で、優先されるのは法定相続ではなく遺言である点に注意をしなければなりません。
【2】に続く・・・