相続ブログ|相続・遺言手続トータルサポート大阪

相続・遺言トータルサポート大阪TOP > 相続ブログ > 外国籍を取得をした場合でも相続できるの?【後編】

相続ブログ

外国籍を取得をした場合でも相続できるの?【後編】

【前編】の続き

 

●個別の相続財産

相続財産には不動産、動産、債権など様々なものがあり得ますが、これらが相続財産を構成するかについても、相続の準拠法、すなわち今回のご質問の場合は日本法によります。

しかし、財産にもそれぞれ準拠法があり、その財産の準拠法によっては相続性が認められない場合があるので注意が必要です。例えば、お父さんがアメリカで交通事故で死亡したような場合には、その損害賠償請求権の準拠法は不法行為地法、すなわちアメリカ法になります。しかし、アメリカ各州の法律では、死亡による死亡した本人の慰謝料請求権は認めていませんので、結局死亡による慰謝料請求権を相続財産として取得しないことになります
(近親者の損害賠償は別途認められています)。

また、相続財産、特に不動産が外国にある場合の遺産分割も注意が必要です。アメリカやフランスなどの国では、不動産についての相続は、不動産の所在地の法律によって異なります。したがって、日本法によって外国の不動産を相続により取得しても、不動産所在国の法律によらなければ、権利移転の効果は認められません。日本法による遺産分割の協議、または調停などの効果がアメリカでそのまま認められるわけではありません。結局のところ、当該外国で別個に法的手続をとって、相続によって誰が権利を取得するのか確定しなければならないことになります。

 

●遺産分割の手続

どこの国の手続で遺産分割を行うべきかは、国際的な裁判の管轄の問題です。しかし、一般的には被相続人の住所地に裁判管轄権があるとされています。

今回のご質問の場合、お父さんは日本に住んでいたので、日本において遺産分割手続を行うことができます。すなわち、争いが生じたときには日本の家庭裁判所に調停または、審判の申立てをすることになります。ただし、アメリカ所在の不動産については不動産所在地であるアメリカ国内の州の手続きで行うことが必要となります。

まとめますと、ご質問者様がアメリカ国籍を取得していても、お父さんの遺産は相続できます。しかし、遺産の内容によっては交通事故の本人の慰謝料請求権のように、そもそも相続できないものもあります。また、アメリカ国内にある不動産のように手続を外国で行わなければ、権利の移転ができないものもありますので、詳しくは、専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

無料相談受付中!【受付時間】平日・土・日9:00~18:00お電話からのお問い合わせは0120-13-7838無料相談予約はここをクリック