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外国籍を取得をした場合でも相続できるの?【前編】
~Question~
私はアメリカ人と結婚し、アメリカ国籍を取得しました。先日、日本人の父が亡くなったのですが、私は父の遺産を相続できますか?また、父は不動産をアメリカでも所有していましたが、どのような手続をすれば相続できるのでしょうか?
~Answer~
●渉外事件と準拠法
対象となる人、場所、物など何らかの要素が外国に関連する民事事件を「渉外事件」といいます。ご質問の場合も相続人の一人がアメリカ国籍ですので渉外事件にあたります。したがってこのような渉外事件については、そもそもどの国の法律が適用されるのかが問題となります。
これについては、「法の適用に関する通則法」という名前の法律により、国籍、住所、行為地などの一定の要素(連結点)に基づいて、本国法、住所地法、行為地法などの渉外事件に適用される法律(準拠法)が指定されます。
●相続の準拠法
今回のご質問の場合、渉外的な相続事件ですので、通則法36条により被相続人の本国法、すなわち日本法が適用されます。
したがって、相続人が誰か、相続分や遺留分などすべて準拠法である被相続人の本国法(ご質問の場合は日本法)により決まります。
そこで、日本民法900条により定める相続分によって、お父さんの遺産を相続することになります。(アメリカ国籍を取得していても、相続権はなくなりません)
今回のご質問の場合とは異なり、亡くなった人がアメリカ人の場合は、仮に日本で亡くなられたとしても、被相続人の本国法であるアメリカ法が適用されます。なお、アメリカは州によって法律が異なりますので、亡くなられた人と最も密接な関係のある地域(州)の法律に従って解決されることになります。
【後編】に続く・・・