相続ブログ|相続・遺言手続トータルサポート大阪

相続・遺言トータルサポート大阪TOP > 相続ブログ > 多重債務者の相続と生命保険金について【1】

相続ブログ

多重債務者の相続と生命保険金について【1】

~Question~

私の夫は、多額の借金を残したまま亡くなりました。私は、夫が契約していた生命保険の受取人であったため、保険会社から死亡保険金を受け取ることができるようです。夫の債権者は、その保険金で借金を返済しろと迫ってきますが、私が返済しなければならないのでしょうか?

 

~Answer~

 

 

●債務の相続

 

相続人は、被相続人に属していた一切の財産上の権利義務を承継します。したがって相続人は、原則として被相続人の債務も承継することになります。

ご質問の場合、ご主人に多額の借金があったということですが、相続人であるあなたはその相続分に応じて借金の返済義務を承継することになります。したがって、あなたはご自分の資産も借金の返済に充てなければなりません。

しかし、負債を引き継がないための方法があるので、以下でご説明しましょう。

 

 

●相続放棄と限定承認 (前編)

 

負債を引き継がない方法として、相続放棄と限定承認があります。

相続放棄とは、一切の相続をしないという意思表示であり、放棄をすれば初めから相続人にならなかったことにするものです。相続の放棄をすれば、マイナスの財産(負債)を引き継がないで済みます。しかしプラスの財産(資産)も引き継ぐことができなくなります。

次に限定承認とは、プラスの財産の範囲内で、被相続人の債務を支払うことにするものです。つまり、プラスの財産を超える負債については責任を負わなくてもかまいません。

相続放棄や限定承認は、「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」(被相続人の死亡の事実と自分が相続人になったことを知ったとき)から「3ヶ月以内」に家庭裁判所に申述しなければなりません。

また、相続放棄は相続人のうちの一人が単独で行うことができますが、限定承認は相続人が全員で行わなければならない点に、注意が必要です。

3ヶ月以内に、相続の放棄または限定承認の手続をとらなければ、相続を単純承認したものとみなされます。したがってこの期間内に、相続をするか、相続の放棄もしくは限定承認をするかをよく考えて決めなければなりません。そのため、この期間は「熟慮期間」もしくは「考慮期間」などと呼ばれています。

ただし事情によっては、3ヶ月を経過している場合でも、相続放棄の申述が受理されることがあるので一度、弁護士に相談されることをおすすめします。

 

【2】に続く・・・

無料相談受付中!【受付時間】平日・土・日9:00~18:00お電話からのお問い合わせは0120-13-7838無料相談予約はここをクリック