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保証人の死亡により、その相続人は保証債務を相続するの?【3】
【2】の続き・・・
● 根保証(信用保証)
根保証とは、継続的な取引関係から将来生じる不特定多数の債務を、主たる債務として保証するもので信用保証とも呼ばれます。継続的な売買契約によって生じる買主が将来負うべき債務を保証する場合や、もしくは銀行との間の当座貸越契約や手形割引契約など一定の取引関係から将来発生する債務を保証する場合などが挙げられます。
このような根保証においても、責任の限度額(極度額)および期間に関する定めがない場合には、保証人の責任の範囲が広範になり、また、契約当事者間の人的信用関係を基礎とするものであることから、特段の事情のない限りこのような保証人の地位は相続人に承継されないと考えられています(最判昭和37年11月9日)。ただ、この場合でも、被相続人の生前すでに主債務が発生していたならば、相続人において保証債務を承継することになります。
これに対し、保証責任の限度額(極度額)が定められている根保証(限定根保証)においては、相続人が責任の範囲を予測することが可能であるという理由から、相続人に承継されると解されています。保証期間のみが限定されている保証についても、判例は相続性を否定していないといわれています。このように、責任の限度額や期間が限定されている場合には、根保証債務は相続されることとなります。しかし、責任の制限や解約権の行使が認められる場合もあり、また次の【4】でご説明するように「貸金等根保証契約」の規定がおかれたケースもあるので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
【4】に続く・・・