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ゴルフ会員権は相続出来るの?【2】
【1】の続き・・・
● 会員資格の相続
相続人は、相続開始時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するのが原則です。しかし例外的に、被相続人の一身に専属するものは承継しません。ゴルフ会員権は、ゴルフクラブが親睦的団体としての性格を有するという点から一身専属的なものと考えられ、相続の対象とはならないのではないか、ということが問題となります。
以下で、それぞれの形態に分けて説明していきましょう。
まずは預託会員制のものについて考えていきます。ここで挙げられる問題点は次の2点です。
①相続人が、被相続人と同じようにゴルフ場施設を利用できる「ゴルフクラブの会員たる資格」を取得することができるか?
②相続人が「会員契約上の地位ないし会員権者たる地位」すなわち、理事会による入会承認を得ることを条件として会員となることができる地位を承継できるのか?(最判平成9年3月25日)
まず①についての、ゴルフ場施設を利用できるゴルフクラブの会員たる資格は、入会承認があってから付与されるものであり、当該会員の信用や年齢といった属性が重視されるため、会則の規定の有無にかかわらず一身専属的な性質を有し、相続の対象とはなりません。会員が死亡したときにはその資格が失われる旨が会則に定められているのは、この当然のことを注意的に規定してあるに過ぎないと理解されています。
したがって今回のケースでは、ご質問者様は、ただちにゴルフ施設を利用することができるようにはなりません。
次に②については、会員権者たる地位は契約上のものであるため、契約自由の原則により会則の内容によって相続の対象となるかが決まると考えられています。
会員規則に、会員契約上の地位は相続対象とならず、会員の死亡によって契約関係が終了する旨が規定されている場合は、その地位は相続されません。どのような場合に、そのような規定があるといえるかの判断は、会則規定の解釈によることとなります。たとえば、単に「会員が死亡すればその資格を失う」という旨を規定しただけでは足りません。「会員契約上の地位は相続されません」という旨が明確に規定されている必要があると解されています。
【3】に続く・・・