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親不孝の息子を相続人から除きたい!【後編】

廃除の手順と効果

 

廃除の手順

 

 生前の廃除の申立て

被相続人は、家庭裁判所に廃除の調停または審判の申立てを行うことができます。

もし、廃除の請求事件の係属中に被相続人が死亡して相続が開始した場合、家庭裁判所は親族、利害関係人または検察官の請求によって遺産管理人を選任し、その者が廃除手続を受継することとなります(民法853条)。

 

 遺言による排除

被相続人は、遺言によって推定相続人の廃除を求めることができます。この場合、遺言執行者が遅滞なく、家庭裁判所に対して廃除の請求をしなければなりません(民法893条)。

 

 

効果

 

 家庭裁判所の廃除の審判または調停の成立によって廃除を求められた推定相続人は、その被相続人との関係で相続資格を失います。戸籍への届出が必要となりますが(戸籍法97条・63条1項)、届出の有無に関わらず廃除の効果は発生します。

 

 廃除の効果は、審判確定または調停成立が相続開始前である場合には、その時点から発生し、相続開始後である場合には、相続開始時にまでさかのぼって効力を生じます。

 

 廃除の効果は相対的であるため、父によって子が廃除された場合でも、母や兄弟姉妹の相続人としての地位までも失うものではありません。

 

 廃除によって相続権を失うのは、廃除された者自身のみです。したがって、その人の子は代襲相続人として、被相続人の遺産を承継することができます(民法887条)。

 

 

排除の取消

被相続人はいつでも、家庭裁判所に対して廃除の取消を請求することができます(民法894条)。

取消の方法は、廃除の場合と同じです。生前によっても、また遺言による意思表示によっても行うことができ、家庭裁判所の審判または調停で判断されます。しかし、被相続人の取消請求が真意に基づくものであるならば、家庭裁判所は必ず廃除の取消を認めなければなりません。取消には遡及効があるため、相続開始時にまでさかのぼり、相続人の地位を回復することとなります。

ご質問者様の場合は、長男に廃除事由があるように思われますので、お住まいの近くの家庭裁判所に相続人廃除の調停または審判申立てをすることによって長男に相続人としての資格を失わせ、長女にだけ遺産を相続させることができるでしょう。

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