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親不孝の息子を相続人から除きたい!【前編】
~Question~
昨年、私は妻に先立たれました。子供は2人います。長男は10年以上も前から賭事に溺れ、今まで何度も家の金を持ち出し、いくら諫めても聞きません。何か気に入らないことがあれば酒を飲んで暴れ、家族に暴力を振るいます。治療を試みましたが、効き目はありませんでした。長男がこのような状態であったため長女は結婚もできず、私たち両親の面倒を見てくれていました。遺産は住んでいる家と土地のみですが、長男にはやらず、長女にだけ残すことはできますか?
~Answer~
親子の縁は切れない
いくら親不孝なことばかりする息子であっても、親子の縁を切ることはできません。また、被相続人の生前に相続放棄をすることも許されていません。長女に「遺産を全部相続させる」との遺言書を作成し、長男に家庭裁判所に対して遺留分放棄の手続をとらせることができれば、家と土地を長女のみに相続させることができます。しかし、長男は遺留分放棄の手続をとることに承知しないだろうと思われます。それゆえ、この方法では、質問者様の意思を完全に実現させることは難しいでしょう。
相続人の排除
民法892条は、「遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる」と定めています。ご質問のケースでは、この相続人排除の手続をとることが質問者様の意思を実現する方法として考えられます。
対象は、遺留分を有する推定相続人です。すなわち、配偶者、子、直系尊属がこれにあたり、兄弟姉妹は除かれます。では、実際にどのような場合に廃除ができ、逆にどのような場合に廃除ができないのかを【中編】で確認していきましょう。