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債務(借金)の相続を、放棄できないか

~Question~

夫が、多額の借金を残したまま亡くなりました。その借金は、相続人の私達妻子が支払わなければならないでしょうか?

 

~Answer~

相続を放棄すれば支払う必要はありません。ですが限定承認の手続をとれば、プラスの相続財産の限度で支払う責任を負います。

 

相続放棄手続のしかた・・・被相続人の財産が「プラスの財産」よりも「マイナスの財産」の方が多い場合、相続人が被相続人の借金などの債務を免れる方法として、『相続放棄の手続(民法938条)』があります。ただし単に相続放棄する旨を、債権者等に言うだけでは足りません。

有効な相続放棄をするために、相続人は、相続開始があったことを知ったとき(通常は被相続人の死亡を知ったとき)から3ヶ月以内に家庭裁判所に「相続放棄の申述」をしなければなりません。3ヶ月を過ぎてしまうと、原則として相続放棄ができなくなりますので、注意が必要です。相続人である、あなたとお子さんの両方が、最寄りの家庭裁判所で手続をとってください。

なお、相続放棄の手続をとれば、あなたの夫の不動産や預貯金などの「プラスの財産」も一切相続できないことになります。

ところで、相続放棄をした場合、次順位相続人である被相続人の両親や兄弟姉妹等が、あなたの夫の借金を相続する恐れがありますので、同じように「3ヶ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続をとった方がよいこと」などを連絡してあげてください。

 

限定承認手続のしかた・・・相続財産がプラスなのかマイナスなのかが明らかでないときは、限定承認の手続(民法922条)をとれば、相続によって取得するプラスの財産の限度で、被相続人の借金等の債務を支払えばすみます。これにより、多額の借金が事後に分かった場合でも、相続人は不利益を被ることはありません。

限定承認は、共同相続人全員が共同で、3ヶ月以内に家庭裁判所に「限定承認の申述」をします。この手続をすれば、通常家庭裁判所から相続人の一人が相続財産管理人に選任され、その相続財産管理人が以後の財産整理の職務を行います。

なお、手続などの詳細は、司法書士、弁護士または家庭裁判所にお尋ねください。

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