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遺産分割の流れ《遺産分割(1)》について

[Question]

先日、父が亡くなり、母と私、弟の三人が相続しました。相続財産として、現在私が母と同居している自宅の土地建物があります。

母は、長男の私が父の跡を継いでこの土地及び建物を単独で所有することに賛成してくれましたが、弟は私の言うことを聞いてくれません。何か良い方法はないでしょうか?

[Answer]

相続財産の帰属・・・相続人が複数あるときは、相続財産は、相続人の共有になります(民法898条)。そして、各相続人は、法定相続分の持分を有し、あなたの場合で言えば、お母さんが2分の1、あなたと弟さんがそれぞれ4分の1の持分を有します。

これを具体的に分けたり、あるいは、持分比率を変更するには、相続人間で遺産分割の協議を行わねばなりません。

協議分割・・・遺産分割は、遺言で分割方法の指定があればそれに従いますが(指定分割)、それがなければ、共同相続人の協議によって決めます。協議分割では、共同相続人間の協議が調えば、どのようにでも遺産を分割できます。

例えば、あなたが望んでいるように、あなたが土地及び建物を全部取得し、弟さん及びお母さんは何ももらわないという内容でも構わないのです。

調停分割・・・当事者間で遺産分割協議が調わないときは、過程裁判所に遺産分割の調停の申立てをすることになります。(民法907条2項)。調停が成立すると、合意の内容が調停条項として調停調書に記載され、これは確定判決と同一の効力を有することになります。(家事審判法21条)。

調停では、分割の協議を進めるにあたって、あなたに、相続財産を維持、増加させるについて特別の寄与があったか(寄与分)、弟さんが独立する際、元手となるお金をお父さんから贈与されていたか(特別受益)などというような事情が考慮されます。

このような事情を加味して分割の基準となる取分が決まり、具体的な分割について合意が成立するよう調整が行われていきます。

審判分割・・・調停はあくまでも当事者間の話し合いで決定するもので、当事者の話し合いがつかず、調停が不調に終わったときには、審判手続きに移行します。審判では、家事審判官が、相続人及び遺産を構成する財産を確定したうえで、「遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して」(民法906条)遺産の分割を行います。

具体的方法としては、現物分割が原則ですが、これが不能、あるいは現物分割によって目的物の価格が著しく損ずると判断したときは、遺産を換価して、代金を分割することができ(換価分割)、特別の事情がある場合には、相続人の一人または数人に現物を与え、その者に、他の相続人に対する債務(通常は代償金支払債務)を負担させることもできます(代償分割)。

本問の場合・・・調停にせよ審判にせよ、相続財産である不動産には、あなたとお母さんが住居として使用しているとのことですので、代償分割が適当だと思われます。

ただし、代償分割の要件である「特別の事情」の判断に際しては、代償金の支払いが確実にできるかどうかも基準とされるので、あなたにその能力がない場合は、換価分割をなさざるを得ないということになります。

もし、代償分割をすることになれば、寄与分や特別受益の問題がありますが、原則として、あなたは、土地及び建物の価格の4分の1に相当する代償金を弟さんに支払うことになります。代償金の支払いは即時一括払いが原則です。

ただし、場合によっては、代償金の支払いが猶予され、あるいは分割払いが認められます。その場合には、利息が付されたり、代償金支払の担保として、土地、建物に抵当権が設定されることもあります。

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