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胎児の相続税について
~Question~
現在妊娠8ヶ月ですが、夫が急に亡くなりました。相続税の申告が必要な場合、胎児は計算上どのように取り扱われますか。
~Answer~
●胎児の相続権
民法上、胎児はすでに生まれたものとして相続権がみとめられます。よって、死産または流産をしない限り、胎児も法定相続人の一人となります。
●相続税法の取り扱い
1. 胎児の納税義務
相続開始時に胎児がいる場合、相続税の申告書提出時までに出生していなければ、その胎児はいないものとして課税価格の計算を行います。出生している場合は、法定相続人の数に含めて基礎控除を計算し、課税価格、相続税の総額などを計算します。
胎児が申告期限までに出生していないために数に含めず計算し、その後出生した場合は、遺産にかかる基礎控除、相続税の総額などを再計算します。この場合、胎児であった相続人については通常の申告をし、他の相続人については更正の請求をそれぞれ行います。
2. 胎児が出生した場合の提出期限と更正の請求
胎児であった相続人の申告書の期限は、その者の法定代理人がその胎児の生まれたことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。胎児にかわって法定代理人が期限後申告書を提出します。
申告期限後、胎児が生きて生まれたことにより相続人に異動が生じた結果、既納付の相続税が過大になった際には、その他の共同相続人は胎児が出生の事実を知った日の翌日から4か月以内に更正の請求を行い、納めすぎた相続税の還付を受けることができます。
3. 申告期限の延期
申告期限までに出生していない胎児を生まれたものとみなして課税価格や相続税額を計算したとき、相続または遺贈により財産を取得したすべての者の納付すべき相続税額がゼロとなり、相続税申告書を提出する義務がなくなる場合があります。このような場合には、胎児以外の相続人が申請すれば、これらの者にかかる相続税申告書は、胎児出生日後二か月の範囲内で延期することが可能です。