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遺産分割協議に瑕疵があった場合には?
~Question~
一部の共同相続人を除外してなされた遺産分割協議や、相続人でないものを加えて遺産分割協議がなされた場合、効力はどうなるのでしょうか?
~Answer~
●一部の共同相続人を除外して遺産分割協議がなされた場合
1. 遺産分割協議のとき、戸籍上判明していた相続人を除外した場合には
共同相続人全員によって、遺産分割の話合いはなされなければならないので、戸籍上判明している相続人を除外してなされた遺産分割協議は無効です。このことは、相続人と同一の権利義務を有する包括受遺者でも同じで、包括受遺者を除外してなされた遺産分割協議についても無効です。
2. 遺産分割協議後に相続人であることが判明、もしくは相続人であることが確定した場合には
a. まず、相続人のなかに失踪宣告を受けた者があり、この失踪者を除外して遺産分割協議がなされた後、こ
の者が生きていることが判明し、失踪宣告が取り消された場合があります。この場合、失踪者の生存を知
らずに他の相続人が遺産分割の協議を行ったときには、その遺産分割協議は有効であり、ただ失踪宣告の
取消しを受けた者は遺産分割を受けた者に対し、現に利益を受けている限度でその返還を請求できること
になります。
b. そして次に、相続の開始後認知により相続人となった者を除外して遺産分割が行われた場合があります。
これは、死後認知の判決や、または生前提起した認知訴訟の判決が確定した場合に起こります。この場合
、被認知者は、遺産分割の無効や再分割を請求することはできず、他の共同相続人に対し価額賠償のみを
請求できるとされています。
c. その他には、遺産分割後に相続人である胎児が出生した場合や、離婚無効判決、離縁無効判決、母子関係
存在確認判決、父を定める訴えなどが確定した場合があります。このような場合は争いがありますが、相
続人を除外した分割協議は無効とすべきものと思われます。
●相続人でない者を加えて遺産分割協議がなされた場合には
遺産分割協議に分割当時から相続人でない者が、相続人として加わった場合と、遺産分割協議の当時は一応、相続人であるとされた者が、遺産分割協議成立後に婚姻無効判決、縁組無効判決、嫡出子否認判決、親子関係不存在確認判決、認知無効判決などの確定により相続資格を失う場合があります。