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生前贈与もしくは遺贈を受けた相続人の相続分について【3】

【2】の続き・・・

 

●持戻の免除

 

被相続人が、相続人に生前贈与などの特別受益を与えていたとしても、被相続人が相続分算定の際に、その特別受益を遺産に加算しないという意思を表していた場合には、被相続人の意思を尊重し、特別受益を考慮せずに相続分が定められます(民法903条3項)。この被相続人の意思表示を、持戻免除の意思表示とよびます。

今回のご質問の例で父親が持戻免除の意思を表していた場合には、長男は2000万円の土地の贈与を受けていたとしても、法定相続分に従って1億円の遺産の1/4の2500万円分の遺産の分割を受けられることになります。

被相続人が持戻免除の意思を、文書に残しておくような例は少ないので、どういった場合に持戻免除の意思表示があったといえるのかが問題となります。しかし、例えば、父親の土地の上に息子の1人が、父親と同居するために自分で家を建てた場合には、息子が土地を無償で使用する権利(使用賃借)について、持戻免除の意思表示があるといってよいとした判例があります。

このように、お兄さんのもらった土地が特別受益にあたるかは、被相続人であるお父さんが持戻免除の意思を有していたかについても問題となります。その点も踏まえて相続人の間で再度遺産分割の話合いをされることをおすすめします。

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