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内縁の妻に相続権はあるか?【後編】

法律上認められた権利

 

内縁の配偶者につき、相続に関して、法律上で明確に権利が定められている場合があります。

一つは、亡くなった人に相続人が存在しない場合には、家庭裁判所が生計を同じくしていた者に相続財産を与えることができるという、特別縁故者への分与です(民法958条の3)。

二つめは、居住用の借家について他に相続人がいない場合には、内縁の妻に借家権の承継が認められています(借地借家法36条)

このように、法律の規定上では、いずれも相続人がいないことを前提として、内縁の配偶者を保護しています。

 

相続人がいる場合の内縁の配偶者の保護について検討しましょう。

 

(1) 居住用の借家の居住権について

① 判例は、相続人の意に反しない限り、内縁の妻に居住権が認められるとしています。

② 明渡しを求める相続人に対して、相続の権利行使は権利の濫用になるとした判例があります。

③ 明渡しを求める賃貸人に対しては、相続人の家屋賃借権を援用して対抗できるとした判例があります。

 

(2) 共有関係を認める方法

内縁関係の夫婦であっても、夫婦が協力して取得した財産については共有関係を認め、内縁の配偶者に固有の財産として共有持分があるという考え方があります。

 

(3) 財産分与を認めてよいか

夫婦関係が離婚、取消等によって解消された場合に、一方は他方に財産分与を請求する権利が法律上認められています(民法786条等)。内縁の解消についても、実務では財産分与が認められています。そこで、内縁の配偶者が死亡した場合に、上の規定を準用して財産分与を認めようとする考え方がありますが、この考え方は、相続法の秩序を乱すものであり、認めることはできないとするのが判例です。

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