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死亡した人の預金や保険の解約には、要注意!!
~Question~
夫が病気で死亡しました。夫名義の預金や生命保険がありますが、すぐに解約したり、請求してもよいでしょうか。
~Answer~
預金の解約・出金手続は相続財産の処分とみなされ、相続放棄ができなくなりますが、相続人が受取人となっている生命保険金の請求手続きは問題ありません。
夫に大きな借金がある場合・・・死亡した人の財産が、全体としてマイナスの方が大きい場合、相続人は相続放棄をして、借金などの相続を免れることができます。
しかし、死亡した人の財産や借金の存在、金額は、必ずしも明らかではないので、相続財産の取り扱い、手続きには十分な注意が必要です。
なぜなら、相続人が一定の「処分行為」を行った場合は、法律上、相続を単純承認したものとして取り扱われることがあるからです。
そのため後日、多額の借金が明らかとなり、相続放棄したいと思っても、相続を放棄することができなくなってしまいます。
具体的には、夫名義の預金を解約・出金したり、親族名義に名義変更する行為、夫所有の物件を売却する行為などが、この処分行為にあたります。
また、銀行やサラ金業者から被相続人の借金の返済を求められ、相続人としてその借金を返済していくことも、法定単純承認になると解されますので、十分に注意してください。
他方、遺族として葬式費用を支出することや夫名義の電気・ガス・水道代を支払う行為などは、上記の処分行為にはあたりません。
これに対し、死亡した夫が生命保険に入っており、被相続人の妻や子を「保険金の受取人」と指定している場合があります。
この場合、妻や子が取得する生命保険請求権は、夫の死亡により妻や子が直接取得する権利ですから、生命保険金の請求手続きをとってもなんら問題は生じません。
夫に大きな借金がない場合・・・相続人としては、プラスの財産の方が多い場合、夫の財産を相続することになります。ですから、夫名義の預金を解約、出金しても、支障はありません。
ただし、夫が死亡したことを銀行が知った場合、相続人が預金から出金しようとしても、葬儀費用など例外的場合を除き、銀行は、所定の手続きを完了しないと、夫名義の預金の出金には応じてくれないのが一般的です。