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夫の死亡直前に入籍した妻の相続分はどうなるの?

~Question~

先日、一人息子(A)が新婚旅行に出かけた先で、スカイダイビング中に事故で亡くなりました。息子の結婚相手の女性(B)は、私(C)とはあまり仲良くなかったのですが、相手の女性が強引に押し切る形で結婚に踏み切りました。しかし、新婚旅行に出かけた滞在先で、あろうことか息子が事故死してしまったのです。

夫もすでに亡くして、母1人、子1人だったので、今後は息子を頼りに暮らしていこうと考えていたのに、突然その息子が亡くなってしまい、どうしたらよいかわかりません。

息子と相手の女性は、入籍後1週間も経っていませんが、相手の女性に息子の財産を相続する権利はあるのでしょうか。

自宅の土地・建物の名義が、夫が以前亡くなったときに息子単独の名義にしているので、大変不安に思っております。

 

~Answer~

 

●婚姻の独立

我が国では、婚姻の成立に法律上の手続きを必要とする、法律婚主義が採用されています。民法によると、婚姻の効果として、同居・協力・扶助等の義務が課されます。そこには財産上の効果や第三者の利害も関わってきます。

このようなことより、ある男女の間で婚姻が成立しているのかどうか、客観的に判断できないと困ることになります。そこで、わが国の民法では法律婚主義が採用されたのです。

婚姻が成立するための実質的な要件には、①当事者間に婚姻の意思があること、②当事者が婚姻適齢にあること、③当事者間に一定の人的関係がないこと、などがあります。また、婚姻が成立するための形式的な要件としては、④戸籍法に基づく届出、が必要とされています。

要するに、男女間に婚姻の意思があり、婚姻届が役所の戸籍係に提出してあれば、法律上は正式な配偶者となります。よって、BはAの正式な配偶者として扱われることになります。

 

●相続人と相続分

Bが正式な配偶者となるので、本件では、Aを相続できるのは配偶者であるBと母親であるCになります。そして、相続分はBが2/3、Cが1/3となります。

仮に婚姻期間が1週間であるとしても、婚姻届を提出して正式な配偶者となっている以上、何十年も婚姻関係にあった配偶者との間に、相続分の差はまったくありません。

よって、Aの財産は2/3が相手の女性Bに相続されることになります。

 

●結論

よって、今回のご質問の場合、ご自宅の土地・建物がAの単独名義になっているならば、そのうちの2/3は相手の女性Bに相続され、残り1/3をCが相続することになります。

Cとしては、今後ご自宅をどのように利用するか等も含めて、相手の女性Bとよく話し合う必要があると考えられます。

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