相続ブログ|相続・遺言手続トータルサポート大阪

相続・遺言トータルサポート大阪TOP > 相続ブログ > 内縁の妻は事実上の夫の財産を相続できるの?

相続ブログ

内縁の妻は事実上の夫の財産を相続できるの?

~Question~

私には妻と子共が1人いてるのですが、10年くらい前から別居しておりほとんど交渉はありません。一方で私は5年くらい前から別の女性と同居し夫婦同然の生活を送っています。私としてはこの女性と結婚したいと考えているのですが、妻が離婚に応じないために入籍ができません。もし、私に万一のことがあった場合、この女性に財産を残すことができるのでしょうか?

 

~Answer~

 

●内縁の妻の相続財産に対する権利

亡くなった人に配偶者がいれば、常に相続人となります。ただし、ここでいう配偶者とは、婚姻届を提出し法律上認められている場合に限られます。

つまり内縁の妻の場合、たとえ結婚式をあげ、もしくはどんなに長い間生活を共にしてきたとしても相続権はありません。また、内縁関係にあった妻がどんなに亡くなられた人の財産の増加や維持に貢献したとしても、相続人にしか認められない『寄与分』制度の恩恵を受けることもできません。

ただし、亡くなった人に相続人が1人もいない場合、内縁関係にあった配偶者は一定の期間内に家庭裁判所に請求をすれば『特別縁故者』として遺産の全部または一部を分与してもらえる可能性があります。

 

●内縁の妻への財産の残し方

今回のご質問の場合、あなたと夫婦同然の生活をしている女性には、あなたに法律上の奥さんやお子さんがいらっしゃる以上、特別縁故者としての財産の分与が認められる余地もありません。つまりこのままの状態ですと、あなたがお亡くなりになった場合、あなたの財産はすべて法律上の奥さんやお子さんに相続されてしまい、その女性のところには一切残らないことになってしまいす。

これを防止するために、まず今の奥さんと離婚し、その女性と再婚することです。たとえ結婚生活が破綻に至った原因があなたにあるとしても、有責配偶者からの請求でも破綻が長期間に及べば、その他の要素も考慮し、婚姻関係の解消を認めるとした裁判例もありますので、ご質問の場合でも話合でだめなら調停や審判といった裁判所の手続を利用すれば、今の奥さんとの離婚を成立させられる可能性があるものと考えます。そして、離婚が成立いた後にその女性と再婚すれば、その女性は当然相続人となりますので、あなたの財産を残すことができます。もっとも離婚の際には、今の奥さんに慰謝料を支払う必要があるでしょう。

また、この他にその女性にあなたの財産を残す方法として、その女性に財産の生前贈与を行うか、遺言をして遺贈するといったものがあります。ただ、生前贈与については多額の贈与税がかかりますし、遺贈については今の奥さんとお子さんに合計で1/2の遺留分が認められますので、例え「自分の財産はすべてその女性に残す」と遺言していても、実際にはあなたの1/2しかその女性は取得できないことになりますので注意が必要です。

さらに、あなたが生命保険に加入し、受取人をその女性にしておけば保険金は相続財産ではありませんので、その女性に生命保険金を残すことができます。

 

●内縁の妻の立法上の保護

ところで、ご質問の場合と関連して、仮にあなたとその女性が現在借家に住んでいる場合において、仮にあなたが亡くなった場合にあなたに相続人がいなければ、その借家権はどうなるか考えてみましょう。

借地借家法は、あなたが亡くなった場合には、その女性が借家権を承継できる旨を規定しています。また、相続人がいる場合であっても、相続人や貸主がその女性を追い出そうとすることは権利の濫用として許されないことが多いでしょう。

無料相談受付中!【受付時間】平日・土・日9:00~18:00お電話からのお問い合わせは0120-13-7838無料相談予約はここをクリック