相続ブログ|相続・遺言手続トータルサポート大阪

相続・遺言トータルサポート大阪TOP > 相続ブログ > 遺産の中の不動産に抵当権がついている場合について

相続ブログ

遺産の中の不動産に抵当権がついている場合について

~Question~

亡くなった父の遺産の中に不動産があり、それには抵当権がついています。この場合、遺産分割の際に抵当権はどのように扱えば良いですか?

~Answer~

●被担保債務の名義

遺産の中のある不動産に抵当権が設定されている場合は、これによって担保されている債務が存在します。ご質問の場合、被担保債務の債務者が被相続人であるか、それ以外の第3者であるかで内容が変わって来ます。

●被担保債務が被相続人名義のものであった場合

被担保債務が被相続人名義で借り入れられたものである場合は、相続の開始により債務は当然に法定相続分で分割された割合で各相続人に帰属し、仮に相続人の間で特定の相続人のみに債務を負担させる旨の特約をしても、これを債権者に主張することはできません。

しかし、抵当権を含めた担保権について被担保債務と同じように考えて、担保権の負担のついた不動産が法定相続分に応じて分割された割合で当然に各相続人に帰属するなどとする必要はありません。

遺産分割を進める際には、とりあえず担保権の存在を無視して分割方法を決めるのも一つの方法でしょう。そして、後日債権者が担保権を実行してきた場合には、担保権のついた不動産を遺産分割によって得ていた相続人は、自己の負担で他の相続人が支払うべき債務の返済をしたのと同じことになりますので、他の相続人が法定相続分にしたがって負担すべき割合についてそれぞれ支払いをもとめるという形で処理を行えばよいでしょう。

なお、相続人のうちのある相続人が被担保債務を全額債権者に支払う代わりに担保権付きの不動産を取得することを取り決め、当該不動産の評価額から債務額を控除して分割方法を定めることも考えられます。

この場合、他の共同相続人が債権者から自己の相続分に相当する債務の支払いを請求された場合、その支払いをしなければならないものの、相続人内部では担保権付きの不動産を取得した相続人に求償できることになります。

また、遺産分割の際、抵当権を有する債権者が同意すれば、特定の相続人のみが被担保債務を引き受け、他の相続人は被担保債務を引き継がないとすることも可能でしょうが、その場合には債権者の書面による明示の同意をとっておくことが必要と考えられます。

●被担保債務が第3者名義のものである場合

被担保債務の借り入れをしたのが被相続人以外の第三者であって、被相続人はその第三者のために不動産を担保として提供しただけである場合、まずその第三者の資力が十分に信頼できるものであるなら、担保についての問題は遺産分割をする際にはこれを無視して分割方法を定めるのも一方法でしょう。

そして、債務者である第三者が資力がないことが明白である場合には、第三者に求償しても意味がありませんから、担保権のついた不動産を遺産分割によって取得する者が損をしないように、最初からその被担保債務額を控除した価額でその不動産を評価して遺産分割をするのが公平ではないかと考えられます。

無料相談受付中!【受付時間】平日・土・日9:00~18:00お電話からのお問い合わせは0120-13-7838無料相談予約はここをクリック