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婚姻関係にない男女間に生まれた子の相続について

~Question~

先日、夫(A)が交通事故で死亡しました。夫の遺産は自宅の家と土地です。夫の通夜に夫の子であると主張する娘さん(B)がやってきました。彼女は自分にもAを相続する権利があるはずだと主張しています。そこで、戸籍を調べてみたところ、確かに夫によってBは認知されていました。夫には妻の私(C)との間に男の子が1人(D)おります。認知されていた娘さんに、相続する権利が発生してしまうのでしょうか?

 

~Answer~

 

●認知の意味

結論から申し上げると、Bは認知されている以上、法律上Aの子であるということになるので、認知無効の訴えによって認知の効力が否定されない限り、Aの遺産について当然に相続権があるということになります。

結婚していない男女の間に生まれた子(=非嫡出子)に関しては、母親との親子関係は母親から生まれているので確実であると言えますが、父親との間では必ずしも明らかであるとは言えません。

よって、非嫡出子については、父親による認知がなされる以前では、母親の氏を称し母親の戸籍に入ります。そして親権も母親が有し、一方では父親とは事実上の親子関係があるにすぎないということになります。

認知とは、父親が婚姻外で生まれた子を自分の子であると認めることによって、父親と子との事実上の親子関係を、法的な親子関係に高めるものです。認知がなされると、親権や氏などは母親から父親に当然に変更されるものではないですが、非嫡出子も法律上の子と認められるため、父親の財産を相続できるようになります。

認知には、認知届や遺言などにより父親が自分の意思に基づいて行う「任意認知」のほか、子供あるいはその親権者である母親から「認知の訴え」を
起こし、裁判により法律上の親子関係を認めさせる「強制認知」があります。

認知の訴えは、父親の生前は当然父親を被告としますが、父親がすでに死亡していても、死亡の日から3年以内であれば、検察官を被告として訴えを提起することができます。

 

●非嫡出子の相続分

上記のように、非嫡出子であっても認知されていれば、父親の財産を相続することができます。もっとも非嫡出子の相続分は、婚姻関係にある男女の間で生まれた子(=嫡出子)の半分と民法が定めています。これは、正常な婚姻関係を尊重しようとの考えから採用されている制度で、現在この制度は合理性が認められているため、実務ではこの民法の規定に従うことになります。ところが、父親が同じであるにも関わらず、その子供にとってはまったく関係のないところで差を設けられることは不公平だという考え方もあります。よって、嫡出子も非嫡出子も相続分を同じにすべきだという意見も主張されています。

上記のご質問の場合、Aが遺言を残していなければ、Aの遺産についての相続分は配偶者Cが1/2、残りの1/2をB(非嫡出子)とD(嫡出子)がそれぞれ1:2の割合で分けることになります。つまり、Bは全体の1/6、Dは2/6という相続分になります。

 

●認知無効の訴え

BがAの子供であり、Aの遺産を相続するということに、どうしても納得がいかない場合は、Bを相手として「認知無効の訴え」を家庭裁判所に起こすことができます。

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