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同時に死亡した者同士の相続関係はどうなるの?

~Question~

私(甲)の父と祖父が乗っていた船が、火災によって沈没してしまい、2人ともその事故により亡くなりました。2人のうち、どちらが先に死亡したのか、警察にも分からないとのことです。なお、遺族は祖母と母と私です。この場合、誰がどのように相続するのでしょうか。

 

~Answer~

 

●同時死亡の推定

上記のご質問の場合のように、数名の者が死亡し、そのうちある人が死亡した時点で他の人たちが生存していたのかどうか、はっきり分からないときは、法律上その数名の者は「同時に死亡したものと推定」されることと定められています。典型的には、交通事故や飛行機事故、船舶事故、又は火災や風水害などの天災地変で複数の人が亡くなり、その人たちの死亡した時刻がはっきりと分からないような場合です。

なお、それに限定されるわけではなく、全く違う別の事故で死亡したけれども、その死亡日時の先後がはっきり分からない場合や、片方の死亡した日時は確定していても他方の死亡した日時がはっきりせず、結果的に両方の死亡の先後関係が不明であるような場合でも、同時に死亡したものと推定されます。たとえば片方は日本国内で火災事故に遭い死亡、もう片方は同じ日に外国で起きた船舶事故で死亡し、船舶が沈没した時刻がはっきりとわからないような場合などがこれに該当します。

 

●同時死亡と相続の関係

ところで、この同時死亡の推定が働く場合、推定の働く複数の死亡者が死亡した時間の先後については、原則として同時死亡を前提として相続が開始することになります。

実際にどうなるのかというと、死亡者たち同士の間では、相互に相続の問題は生じません。また、たとえば同時死亡の推定が働く者同士の間で遺贈がなされていたとしても、遺贈者の死亡「以前」に受遺者が死亡していた場合に当てはまるので、遺贈の効力は生じないことになります。

よって、ご質問の場合について言うと、まず祖父の遺産については、祖母と、本来ならば甲の父が相続人となるはずです。しかし、その父が亡くなっているので、父の相続人となる甲が代襲して相続するということになります。代襲相続は、被相続人の死亡「以前」に相続人が死亡した場合に発生します。同時死亡の場合でも代襲相続の適用される場面となるので、甲が父の代襲相続人として相続することができるということです。母は、祖父との関係では、「子である父の配偶者」にあたるので、直接祖父を相続する権利はありません。一方、父の遺産については、母と甲が相続人となるので、祖母が相続することはできません。遺言がない場合、それぞれの相続分は以下の通りです。

 

【祖父の遺産】               【父の遺産】
祖母   1/2               祖母   なし
 母    なし                母    1/2
子(甲)  1/2               子(甲)  1/2

 

●同時死亡の推定の反証

上記で述べた通り、推定の働く死亡者同士、どちらが先に死亡したのかを明確にすることができれば、同時死亡の推定は覆ります。つまり、同時死亡を前提として、すでに遺産分割が行われていれば、それは効力を失い、遺産分割をやり直すことができることになります。また、同時死亡の推定が働かないことになると相続人となる人や相続分が増える人は、「相続回復請求」をすることができます。(例えば、上記のご質問の場合では、祖父が父より先に死んだということが判明すると、祖父の遺産についてまず父が相続し、その後に父が死亡することにより母が父の相続した分の半分を結果的に取得することになるので、足りない分は相続回復請求ができると考えられます。)

 

●同時死亡と戸籍の記載

この同時死亡の推定に対して反証する場合、戸籍の記載と相違が生じ、問題となります。これは、同時死亡の推定力と、戸籍記載の死亡日時分の推定力のどちらが強いと見るのかという問題です。戸籍記載の死亡日時分は、通常は「医師の診断書」によって記載されるものですが、事故死のケースでは自然死とは違って「死体検案書」に基づく場合があり、また、推定年月日のみが記載され、死亡時刻は記載されない場合もあります。診断書の死亡時刻の記載は、おおむね実際の死亡した時刻に近いですが、死体検案書は医学的な知識に基づいて推定死亡時刻を記載するだけになります。

よって、対象の数人について、診断書に基づいて死亡日時分が戸籍に記載されたときは戸籍記載の推定力が優先し、死体検案書に基づくときは同時死亡の推定が優先するとの説が有力となっています。したがって、対象となる者全員の戸籍上の死亡日時が診断書に基づいて記載されている場合は、戸籍の記載の死亡日時が優先し、対象者のうち1人でも死体検案書に基づいて記載されている者がいる場合は、同時死亡の推定が優先すると考えられます。

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