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相続人の一部が行方不明である場合の遺産分割協議【その1】

~Question~

私の父は三年前、99歳で死亡しました。相続人間で遺産分割協議をしようと試みましたが、子供5人のうち4人はすでに死亡しており、孫の中には全く音信不通の者がいたりして、連絡のとりようがありあせん。このような場合の遺産分割協議は、どのようにしてなすべきでしょうか?

 

~Answer~

相続が開始し、遺言もない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行わなければ遺産の分割をすることができません。相続人全員に連絡がついて、全員の意思を確認できるのであれば何の問題もありません。しかし、相続人の一部に行方不明の者がいたりすると分割協議の進行は極めて困難なものになってしまいます。行方不明者とは、①生きていることは間違いないが、住所が不明で連絡がとれない場合と、②生死そのものが不明である場合の二つが考えられます。

 

●相続人が長期不在である場合

相続人が、生きてはいるはずだが、従来の住所または居所を去ったきり音信不通で連絡をとることができない状況にある場合は、他の相続人ら利害関係人は、その者の帰りをひたすら待っていなければならないこととなります。そこで民法は、このような者を不在者とよび、法律上次のように取り扱う旨を規定しています。民法25条の「不在者の財産管理」の条項に従って財産管理人を設置し、その財産管理人に遺産分割協議に参加してもらう方法をとります。

家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求にもとづいて、行方不明者のために財産管理人を選任します。このとき相続人ら利害関係者は、速やかに家庭裁判所へ申立てを行ってください。どのような人が財産管理人になるかは問題ですが、一般的には申立て時に候補者を挙げておくと、家庭裁判所が当事者との関係や不在者の財産管理をするにふさわしい人物であるかなどの審問をしたうえでその選任を行います。選任を受けた財産管理人は、遺産分割協議に参加し、相続財産の分割や管理をするなどして不在者のために働くことになります。

なお、財産管理人の職務は、当該不在者のために財産を管理・保存するのが本来の職務です。したがって遺産分割協議に参加した結果、処分行為をする場合には、必ず家庭裁判所に事前にその内容を説明し、許可を得なければなりません(民法28条)。財産管理人といえども、不在者のためなら何でもできるというわけではないのです。裁判所の監督の下で適切な遺産分割が行われるよう、法が規制をしています。したがって、共同相続人の中にこのような長期不在者が含まれている場合には、よく注意をしておきましょう。

 

相続人の一部が行方不明である場合の遺産分割協議【その2】に続く・・・

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